美術館2008/05/04

4連休も最後の日曜です。今日はVercelliにあるBorgogna美術館へ行きました。場所はセミナリオから歩いて10分程度のところです。前から気になっていましたが、やっと今日行きました。日曜は10~12時半の開館なので10時少し過ぎに入りました。表向きはあまり大きくないので、すぐ見終わるかと思いましたが中は結構広く、フロアーも3階まであり結局1時間半ほどいました。特に有名な画家の作品がある訳ではありません。地元出身の画家とか、教会にあった物などが主な所蔵品です。年代別に展示されていて、最初の方は宗教画ばかりです。段々と年代が新しくなると、人物や静物、風景と被写体も色々になります。
この広い美術館、入ったときから出る時まで、お客さんはゼロ。私1人でした。入った時は展示スペースが消灯されていましたから。地元の人はもう見飽きている。外部の人が来る程有名でもない..と言ったところでしょうか?貸切で、こんなに沢山の絵が見られるなんて贅沢な時間を過ごしました。有名な絵など無くても十分に楽しめました。

車の集まり2008/05/04

美術館を出て、お昼なのでよく行くレストランの方へ向かっていると、駅前からの大通りの中央にある広場で市がやっていました。日曜は大抵、どこかの広場で市をやっています。今日の市は、Vercelliの味覚というタイトルなのでサラミやチーズ、お菓子、パンなど食品が殆どでした。市を抜けると、また車の集まりをやっていました。日時と場所を決めて、古い車や、特殊な車のオーナーが集合しているのだと思います。こういう集まりも日曜にはかなり頻繁にあるようです。今日はクラシックカーに加えて、フェラーリ集団もいました。他にカワサキのマッハ集団や、見たことの無いイタリアの原付メーカーの集団もいました。その会場には自転車のとても古い物が3台展示してありました。外観の状態から見て、恐らく復刻品ではなく本物だと思います。横に貼ってあった説明では1815年と書いてありました。車の集まりと同列に自転車もあるというのは、ヨーロッパでは自転車も車として認めているからでしょう。日本でも、もちろん法律上は車両ですが実際に国民も行政もそのような扱いをしていない事が多いです。車道を走れば車に睨まれるし、歩道でも歩行者にベルを鳴らして通過する人がいたり、自転車が走るべき場所が確保されていなかったり。イタリアではどんなに遅い老人が乗った自転車でも車と同じにロータリーに侵入してクルクル回って目的の分岐に出て行きます。きちんと片手で手信号もしています。運転すると気の短いイタリア人ドライバーも嫌な顔ひとつしません。自転車専用道路も多いです。本当に羨ましい。日本では、歩道で自転車との事故が多い事を理由に取り締まりを厳しくするという報道を見ましたが、そういう対症療法的な事ではなく、通行場所の整備と、きちんとした教育と法整備をして欲しいと思います。

ディスコ2008/05/04

4連休の日曜も夜になり明日からまた楽しい研修に備えて寝るだけか..と思っているとロメオから電話が来ました。11時にセミナリオに迎えに行くから..って?日曜のテレビ出演には遅すぎるし、何だろうと思って着替えて電話を待ちました。11時少し過ぎに電話が鳴って、セミナリオの前に行くとロメオのアウディA4が停まっていました。チャオ!と言って車に乗りましたが、人待ちでそのまま待機。暫くすると青いルノーが来て女性が1人、降りてきました。彼女はロメオのガールフレンドのマーラです。以前にも2回ほど短時間会っています。3人で車に乗り、10分も走らないうちにどこかの駐車場へ入りました。どこ?と聞くと、ダンツッアとか言っています。ダンツッアってダンス?建物の様子からこれはディスコだな..と判りました。前にもTVショーの帰りにディスコへ行く?とか言っていたので。
建物は平屋で日本のボーリング場の様な外観です。入り口にはネオンでGLOBOと書いてあります。中に入ると更に奥に扉があって、門番の様に人が1人立っています。切符売り場みたいなところでチケットを買い、クロークに上着を預けました。入場料は1人5ユーロ。結構安いです。入り口から入ると信じられない世界がそこに広がっていました。多分、イタリアに来て一番、驚いたかも?

日本のディスコには、私でも入社当時はバブルの頃で、ユーロビートが流行っていたので何回か行きました。名古屋勤務でしたし。しかし、ここはそのイメージを完全に覆しました。まず驚くのが、物凄く広い。広いダンスフロアーが一番低くなっていて、その周囲を客席が多数囲んでいます。そして正面には1m以上高くなった大きなステージがあり、その上では生バンドの演奏をしているのです。バンドはボーカル(女性)、ギター、ベース、ドラムに加えて、なんとアコーディオンがいます。アコはもちろん、Cooperfisa。演奏している曲は、イタリアのフォークソングや、古いディスコの曲とか、映画音楽とか、様々な曲をダンスするのに良い感じにアレンジしています。つまり、この広いフロアーでは、生バンドの演奏で皆さん踊っているという事です。という事で、踊っているのはどうみても50歳以上の男女ペアです。しかも凄い人数。100人以上は絶対います。見ている人を入れたら倍です。日曜の夜11時過ぎですよ!
この光景、本当に驚きました。予想を完全に裏切りました。あまりに予想外の状態で呆然と立ち尽くしました。暫く固まっていたみたいです。マーラに笑われながら肩を叩かれ我に返った感じです。大丈夫?って言われました。多分、ロメオはこれを私に見せたかったのだと思います。自社のアコも使われていますし。聞くと、週替わりでバンドが入っていて、半分のバンドにはCooperfisaのアコを使ってもらっているそうです。ロメオも演奏する事があるらしく、出会う人の多くが挨拶していきます。暫く、3人で座ってバンドの演奏を聴いていました。ロメオがBARで飲み物を注文して持って来てくれました。見た感じはコーラ。何?と聞くと、飲むと踊りたくなるとか言って、マーラと二人で笑っています。飲むとコーラに混ざって、かなり濃いアルコールの味がします。どうやらこれはコーラにラムが入っているようです。全部飲みましたが意外と酔いませんでした。イタリアに来て、土日は食事でいつもワインを飲んでいるから強くなったのでしょうか?それにしても普段、ワインかビールしか飲まないイタリア人もディスコではコーラのカクテル。ここだけは日本のディスコに似ている?当時、みんなコークハイや、スクリュードライバーを飲んでいた様な記憶があります。

驚くのはこれだけではありませんでした。ここは一応、ディスコ。高齢者のダンスホールではありません。なんと、他にフロアーが5つあるらしい。フロアー毎に違ったジャンルの曲を流しているらしいです。メインフロアーがバンド付きの部屋との事。3人で別のフロアーに移動しました。マーラはダンスが大好きらしい。特に好きなのはラテン。という事で、ラテンの部屋へ移動して二人に踊ってもらいました。写真はその時の物です。音楽的には私も好きなジャンル。ここも沢山のペアが踊っていました。年齢は20~40歳位でしょうか、かなりスピードがある激しいダンスです。みんな上手だし、本当に楽しそうです。マーラはかなり楽しそうですが、ロメオは疲れているみたいです。実際、ロメオはCooperfisaのデモンストレーター、演奏活動、営業活動、新品アコのテスト、時間外の修理対応などしているので、睡眠時間がかなり少ないのです。2曲ほど踊ってフロアーから上がりましたが、マーラはちょっと不満そうです。で、1人で踊りに戻りました。と言っても、踊る時は二人。適当に男を捕まえて踊るのです。これも驚きました。別にこれは普通の事のようです。実際、踊るだけでとてもあっさりした感じですから。踊っている時は結構、過激なんですけど..

次に行ったのは、日本で言うディスコと同じタイプの部屋。なんと、ここでは一番狭い部屋で、人も少ない。でも一応DJがいて、何か喋って盛り上げています。唯一、ここは1人という単位で踊るところでした。踊るといっても他のフロアーから見たら立っているだけに等しい感じです。ここにきて初めて3人で踊りました。私はディスコ、何年ぶりでしょう。20年くらい?もう一生無いと思っていました。まさか、イタリアでこの時期にとは全く予想していませんでした。
それにしても、ディスコで一番小さくて不人気な部屋が日本の標準的なディスコのタイプで、一番広い部屋が生バンド付きで高齢者のダンスフロアーというのも、面白いと思いました。ここは、日本のディスコにあるような独特の雰囲気は全く無く、若い人からお年寄りまで、とても明るい夜の遊び場という印象です。とてもいいのは、空気が綺麗なところです。イタリアでは飲食店や、人が集まる場所は法律で禁煙なので、ディスコなのにタバコの臭いがありません。これは本当に素晴らしい。

という訳で、セミナリオに帰ったのは1時頃でした。そんな時間でも皆さん、明るく元気に踊っていた。イタリア人恐るべし..
でも、例えば、これと同じ物が日本にあってもお客さんは来ないでしょう。50歳以上の男女ペアが日曜の11時過ぎに仲良く踊る人口ってどれくらいあるでしょう?この日に行ったディスコはVercelliというイタリアの何でもない普通の小さな町の物です。それでもあんなに人が集まり、楽しんでいました。20~40歳の人も、スピード感のあるダンスを楽しんでいましたが、日本でディスコと言ったら一部の若者だけという感じですし、流行と衰退を周期的に繰り返しています。翌日、シモーネにディスコの話をしたら、GLOBOはあまり好きじゃないとか言っていました。ってことは、他にも近くに別な場所があるって事?イタリア人は楽しむ事が本当に上手だと思いました。