マイク仕込み2010/07/02

先日、ブログでも書いた楽器の調律などがようやく終わりました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2010/06/19/5201845



今日はアコーディオン専用の内蔵式マイクを取り付けています。
フレンチタイプのボタンアコーディオンは、余分なスペースが少ないので、
取り付けは少し難航しましたが、なんとか行けそうです。
グリル部分も中が良く見えるメッシュで、デザインの「透かし」も
大きく開口しているので、マイクの配線や部品の配置には気を遣います。



黒&装飾2010/07/02

イタリアから新しい楽器が入荷しました。
イタリアのブランドでも比較的、低価格な楽器ですが、今回は、
特別にメーカーの割引があり、更にユーロが安い事もあって、
かなりお買い得感のある楽器です。

37鍵盤、96ベースという使い易いサイズです。
リードはMMMLですので、派手な音から落ち着いた音まで選択できます。
高級なハンドメイドタイプのリードが使われています。


ご覧の通り、黒いボディーですが、ラインストーンを使った装飾がしてあります。
蛇腹の中は赤です。
分かりにくいですが、鍵盤はパールタイプ。


メーカーロゴのところの赤いラインストーンがとてもキュート。
落ち着いた黒と、派手な装飾が混在した、なかなかの一品です。
音もパワーがあります。高級グレードの楽器なので、ベースボタンの
メカニックノイズを低減する処置もしっかりと施されています。

簡単マイク2010/07/07

イタリア製のアコーディオン用マイクが入荷しました。
楽器のグリル上に載せて使う物ですので、
楽器の改造などは必要なく、使う時だけ取り付ける物です。
但し、これは右手専用なので、ベースの音も拡声したい場合は、
別途、専用の内蔵マイクなどを準備する必要があります。
セット内容は、本体とシールドと専用のソフトケースだけです。
本体を楽器のグリル上へ載せ、蛇腹留めの金具に本体の
ゴムひもを引っ掛けるだけの簡単取り付けです。
本体からはシールド線1本でアンプへ接続できますので、
途中にボックスや電源などを繋ぐ必要もありません。
本体内には3つのマイクが入っているので、どの音域も均一に集音できます。
マイクアンプ内蔵ですので、電気的ノイズも最小限に抑えられます。
本体には音量調整のツマミが1つ付いています。
見た目もスッキリで、取り付け、配線が簡単なマイクです。
バンドの演奏などで右手だけ使う方にお勧め。

リピート2010/07/07

以前に、43年前の楽器の修復の事を書きました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2010/05/01/5092670


それは楽器店経由の修理でしたので、依頼主様は存じないのですが、
同じ方から別の楽器の修理の依頼を受ける事になりました。
取次ぎ店様からは、以前の修理に大変満足しているので、
もう一度、お願いしたいとの事でした。
これは修理業をしている者にとって、本当に嬉しい事です。


前回の楽器と同じ様に、側面に日付が貼ってあります。
S52.3 とありますので、前回の楽器より10年若いですが、
33年前の楽器という事になります。


ベースのスイッチの上に、赤い粉があります。
これは、嫌な予感..


カバーを開けると..
やはり、思ったとおり、バルブのフェルトが酷く虫に食われています。
フェルトが赤いので、粉状になって楽器のあらゆる部分に付着しています。


楽器の中を開けてみると..
蛇腹の内側に、虫の抜け殻が多数見られました。


という訳で、前回と同様、全てのバルブのフェルトと皮を交換する事になりました。
しかし、前回と違い今回はチャンバー付きですので、手間は3倍以上。
右側のバルブの数は2倍ですが、手間は3倍以上になります。
チャンバーの付いた楽器の値段が高いのは調整と調律が大変だからです。



外したバルブの側面です。
赤いフェルト部分が虫に食われて穴だらけです。


鍵盤を全て取り去った後のバルブが当たっている場所の写真ですが、
やはり、フェルトの粉や虫の抜け殻などが散乱しています。


外した白鍵です。

汚れているので、外しついでに綺麗に磨きました。
鍵盤が楽器に付いている状態では側面や奥の部分は綺麗にできませんので。

この後は、古いフェルトと皮をバルブから剥がし、新しい物を取り付け、
鍵盤にバルブを戻した後に、楽器へ取り付け、空気漏れが出ない様に
きちんと調整します。これで鍵盤の高さも揃います。
無論、右が終われば左もバルブ交換です。全部やらないと意味を成しません。

バルブのフェルトが虫に食われていなくても、30年経過した楽器はバルブの交換時期です。
古くなると鍵盤を離した際に、パチ、パチと、バルブが当たる音が大きくなってきますし、
空気漏れが出る様になってきます。20年以上経過したあたりから要注意です。
見た目の変化としては、鍵盤の高さが微妙に不揃いになってきます。
押した時の鍵盤のストロークも深くなります。バルブのフェルトが縮む事による影響です。
完全整備済みと、表示されている中古楽器でも、バルブ交換がしてある事は稀です。
「完全調整」の基準は規定も無く曖昧なのです。古い楽器を購入する場合は要注意。
後でバルブ交換を行うと出費が大きくなりますし、そのまま使うと色々な害があります。
本当の意味で完全調整された古い楽器は安くできません。
大変な時間と労力が必要ですので。ある意味、新品を組み立てるより手間ですから。
それでも、古い楽器には現代の楽器には無い魅力があります。

足止め?2010/07/12

朝、出勤するため玄関へ行くと..
ネコが扉の前で横になっていて動きません。
しかし、これは「置いて行かないで~」と、足止めしている訳ではありません。
単に、タイルの床が冷たくて気持ちが良いからです..