錆にご注意!2010/08/03

古いEXCELSIORのアコーディオンの修理依頼を頂きました。
依頼は、切り替えスイッチの作動不良と発音不良箇所がある為、
点検と全般的なメンテナンスという事でした。

早速、点検させて頂きましたが、リードに錆が出てしまっている事が分かりました。
写真はその一部です。幸いな事に、全てのリードに錆が出ている訳では
ありませんでしたので、不良部分の修理を行い、改めて調律を行う作業をする事になりました。
ちなみに、切り替えスイッチの作動不良の原因は、手の平で押すマスタースイッチが押された
状態で固まってしまい、他のスイッチが動かせないという状況でした。
原因は、マスタースイッチからの動きを伝える回転軸の錆による固着でした。
長期に渡り錆を防ぐのは、なかなか大変ですが古い楽器は良い物が多いので、
定期的な点検、整備を行い、長く使って頂くのが宜しいかと思います。

錆を防ぐにはまず、よく使う事です。空気が滞留したり、金属が不動の状態では
錆が出易くなります。演奏して空気を通し、金属を動かす事で錆が出にくくなります。
ハードケースにしまって長く使わないというのでは、錆が出ても仕方ありません。
もし、そういう状況になる場合は、乾燥剤を入れて湿度を低く保つ方法がありますが、
乾燥剤はすぐに飽和しますので、頻繁に交換か再生を行う必要があります。

最近、ネットオークションで購入した楽器でリードに錆があったり、古くてバルブ交換が
必要になったりという事例がよくあります。錆の修理やバルブ交換は修理費が高額に
なりますので、古い楽器を購入する場合は注意が必要です。