ビンテージの再生32012/02/20

とても古いHOHNERのアコーディオンを修復しています。
前回の記事はこちらです。
http://accordion.asablo.jp/blog/2012/02/17/6428820



ようやく鍵盤から全てのバルブを外しました。
外すだけではなくて古い接着剤を除去する必要があるので時間がかかります。


鍵盤を外した状態ですので、このタイミングで鍵盤も綺麗にします。
左が元の状態で、右が磨いた物です。
これも41個やるとかなりの時間と労力です。
比較的新しい楽器でも清掃作業はしますが、より古い物は大変です。

ところでこの鍵盤ですが、楽器を受け取った時にちょっと見た時はセルロイドの
キートップかと思いましたが、改めて調べてみると象牙でした。
今ではもう実現不可能な贅沢です。
磨く作業は大変ですが、リアル象牙を加工していると思うと気分が良いです。


黒鍵盤の裏ですが、フェルトが劣化して殆ど無くなっています。
また、応急的な修理跡も見られます。

外した鍵盤のバルブですが、最近のアコーディオンと比較すると
フェルト層がとても薄いです。
フェルトが劣化して薄くなった分もあると思いますが、元々、
厚いフェルトを使っていないようです。
皮は良く見られる茶色の物ではなくて白い物です。
何の皮なんでしょうか..

修復はオリジナルに近い厚さで行いますので、薄いフェルトを使います。
フェルトの変形量が少なくなりますので、バルブの角度ズレを吸収する範囲も減ります。
これは相当正確な作業を要求されます。


バルブから古いフェルトと皮を取りました。
しっかり接着されているのでこれも大変な作業でした。