ビンテージの再生52012/03/19

70年以上前のアコーディオンの修復をしています。
前回の記事はこちら。
http://accordion.asablo.jp/blog/2012/03/01/6446863

長期に渡る修理は合間に短い期間で修了する修理などを行うので、
どうしても作業が遅れてしまいます。
鍵盤側の再生が完了したのでベース側に移ります。
ベースボタンも鍵盤と同様、リアル象牙です。
ご覧の通り、変色が進んでいます。
良く使う部分である中央C付近に行く程、茶色い変色が強いのですが、
よく見ると、更に使用頻度の高いボタンは茶色の変色が取れて角が白くなっています。
この楽器は使われていない時期があり、最近になって再度、
使われ始めたという事なのかも知れません。

フリーベースの楽器によく見られるベース側の開口部があります。
張られている網は酷く汚れています。


蓋を開けてベースメカニックを確認すると、70年も経過したとは思えない程、
綺麗な状態を保っています。
機構も現代の楽器と殆ど変わらず、既に70年前には完成の域に
達していたシステムという事が分かります。
ボタンの軸にはアルミニウムが使われています。
この楽器ではアルミニウムは、リードプレートと、鍵盤のアームと、ベースボタンだけで、
その他の部分では見られません。


バルブの皮を張り替える為にメカニックを分解して行きます。
ボタンを全て外したところです。


更に分解を進め、ボタンの下にあるメカニックを全て取り出しました。
これでやっとバルブが見えてきます。
バルブの数は24個。


バルブも取り外して掃除をするとスッキリします。
ここまで来ると穴の空いた、ただの木の箱。

ベースボタンの周囲にある120個の穴の空いた板は、ボタンを全て抜いた
このタイミングでないと外せません。
両側にある開口部の網の交換と、板そのものの清掃、研磨をして外観を再生します。

ベースのバルブの劣化した皮を全て剥がしました。
この楽器はフェルトは使わず皮だけでした。
この後、新しい皮に張替えてバルブを再生します。


再生したバルブを組み付けたら元の通りにメカニックを組み付けて行きます。


外したベースボタンですが、こんな感じで汚れと変色があります。


艶が出る程磨いて行きましたが、変色が強い物は
ご覧の様に、細かいヒビ割れを伴った深い変色で、多少の研磨では
白くする事はできませんでした。

左が元の状態で、右は研磨した後です。
艶が出る程磨いても変色が残る物は、今回はそのまま戻しました。
深く削って研磨すれば白くなりますが、それでは時間が多くかかり
その分、費用もかかってしまいますので。
120個もあるので例えば、1個に5分かかるとして10時間という事になります。


ただでさえ時間の掛かるベースボタンの組み付けですが、
一つ一つの研磨作業が入るのでゆっくとしか進みません。
やっと、ベース部分が終了。
後はコードのボタンですが、ここまでの2倍の80個あります。

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