ビンテージの再生62012/03/27

70年以上前のアコーディオンの修復をしています。
前回の記事はこちら。
http://accordion.asablo.jp/blog/2012/03/19/6457602

ベースボタンの組み付けは2/3まで終了しました。


ベースボタンの末端部分は、木でできた櫛状の部品で受けられていますが、
これは2段が重なる様になっています。
上下の段を分離する為に薄くて細長い樹脂の部品(写真にある白い部品)が
挟まっていますが、これは要交換でした。


理由は、ご覧の通り、ベースボタンの末端が触れる部分の樹脂が
繰り返しベースボタンの操作をした事で磨り減っているからです。
元々、厚さ0.5mmも無い部品ですので、皮一枚で繋がっている状態と言えます。
さすがに長年使われてきたビンテージ品だけの事はあります。


面白い発見をしました。
この年代のアコーディオンのセブンスコードは4音全て鳴る仕様だったようです。
左のボタンはディッミニシュで、3つのピンがあるので3音構成です。
右はセブンス用で、4つのピンがあるので4音鳴ります。
今のアコーディオンはセブンスコードの5度の音が省略されていて3音だけ鳴ります。
今の..と言っても、50年ほど前の楽器ではこんな風にはなっていませんので、
70~60年以前の間に変わっていったのでしょう。


一番外側のディミニッシュコードのボタンは、物に触れやすいので
こんな風に曲がっている事がよくあります。
こういうボタンも修正しながら組み付けていきます。


と言うわけで、ベースの修復完了!


ベースメカニックの蓋ですが、張られているネットが汚れているので、
新しい物に張り替えます。
剥がすと水玉模様がクッキリ。


ベースストラップです。
この楽器には調節機構がありませんので、手の大きさに合わせて
切り詰めてネジ止めして調整します。
内側のフェルトが擦り切れて両端部分しか残っていません。
皮はまだ使えそうですので、ここはオリジナルを使う事にしました。
フェルトは剥がして新しい物に張替えします。


ベースストラップの表にはこんな押し型が付いていました。
皮もしっかりしているし、模様もあるのでフェルトを張り替えて
再利用する事にしました。


蛇腹留めは、片側しか残っていませんでした。
同じものが手に入らないので、ここは現代の物に交換します。