CAC演奏会2012/12/01


今日は私が所属するアコーディオンの非営利団体である
中部アコーディオンクラブの演奏会がありました。
臨時休業して出演させて頂きました。



出演順はくじ引きで決めていますが、今年は2番目でした。
何年やっても緊張でいつもの通りにできません。
来年は45周年ですので、もうちょっと何とかしたいところです。

この日の演奏会の様子は下記サイトで見られます。
http://cac.asablo.jp/blog/2012/12/02/6649809



鍵盤アコーディナ2012/12/02

ボタン式の鍵盤ハーモニカがフランスで製造販売されています。
アコーディナ(アコルディーナ)という名前で通っていますが、
今日は、その鍵盤式と呼べるクラビエッタという楽器の修理が来ました。
最初にアコーディナが製品化されフランスで売られたBORELのアコーディナは
このクラビエッタと同じ会社で作られていました。



イタリア製で既に作られていないので新品は手に入りません。
この楽器は大変保存状態が良く、外観はかなり綺麗です。
鍵盤に吹き口が付いた様な、無駄が一切無いコンパクトなデザインですね。



裏側は金属部分に多少の傷がありますが、
赤い革製のストラップは信じられない程に綺麗です。
ここだけ新品に交換したかの様です。



外観は素晴らしいですが、やはり劣化する部分はあります。
気密を保つパッキンは劣化してボロボロです。
バルブの構造などはBORELのアコーディナや、
それの復刻であるMarcel Dreuxのアコーディナにそっくりです。



幾つか音が出ない箇所がありました。
全ての音がきちんと出る様に調整し、部分的な調律を行い修理完了しました。
「きちんと」がポイントです。
ただ鳴れば良いわけではありませんので。

パッキンを交換したので気密が非常に良くなりました。
気密が悪いアコーディナはボタンを押さずに息が吹き込めますので
演奏に無駄な空気を消費しますし、息使いがダイレクトに反映しません。
これはアコーディオンでも同じです。



楽器を返送しようとしましたが、ケースが壊れている事が判り
こちらも修理して全て完了となりました。



高級器のバルブ交換2012/12/05

今はメーカーが存在しない高級アコーディオンの修理を承りました。


Dallapeという北イタリアのメーカーですが、日本ではトンボ楽器製作所が
輸入販売していました。
会社は既にありませんが、RolandのVアコーディオンのプリセット音源で
Dallapeのサンプリング音として残っているとの事です。


不具合の症状は、鍵盤のバルブの皮部分が粘着質のものにより、
鍵盤の初期の作動が重くなるというものです。
一旦、鍵盤を動かすと問題なくなりますが、少し間を置くとまた、
バルブがくっついて鍵盤を押すのに相当の力が必要になります。
根本修理にはバルブのフェルトと皮を交換するしかありません。
この症状は製造後15年以降経過した楽器で時々見られます。
原因ははっきり分かりませんが、使用した接着剤が劣化し、
皮を浸透したか、皮自体の有機物が染み出たものと思います。

修理する為に楽器の分解を始めました。
ついでに各部の点検も行います。
蛇腹の内側には少しカビが出ていました。
あまり使っていない楽器はこのような状態になる場合があります。
新品でもケースに入れて使わないでいるとカビが出ます。
リードが錆びることもあります。
メーカーが作り置きしない事や販売店やむやみに在庫を増やさないのは
そういった理由があります。
カビがあれば演奏する時に胞子を吸い込むことになりますし、
リードが錆びていればすぐに調律が狂います。
楽器を買う場合は新品でも中古でもそういう部分にも注意する必要があります。
音がちゃんと出るというだけでは判断できません。


製造後、20年以内の楽器と思いますので、
サブタ皮の反りは殆ど出ていません。


ですが、よく見ると..
サブタ皮を押えているバネは自然にはなり得ない変形がありますし、
調律痕もメーカーが行うものと違います。
購入後、何らかのメンテナンスをどこかで行ったのでしょう。
折角の高級機がこれでは勿体無いですね。


この楽器はチャンバーが付いています。
なのでバルブが一つの鍵盤に二つあります。
これはバルブ交換を行う修理の場合には大変な作業になります。
数が二倍になるのは勿論ですが、苦労は二倍では済みません。


右手のスイッチを取り外しました。
スイッチの裏側の写真ですが、さすが高級機。
スイッチの内部は木でできています。
全て樹脂では重くなりますし、中空では押した感じが悪いです。
軽くて感触が良いのが木製です。


バルブ交換をする為に鍵盤を外し始めました。


比較的、内部が綺麗な楽器ですが、鍵盤を外すと埃の堆積がありました。
修理と共に清掃もします。


鍵盤を外した後のバルブが当たる面ですが、
皮から染み出た粘着質でバルブの痕が残っています。


バルブの皮の面です。
染みが付いています。



バルブ本体ですが、通常は、鍵盤からのアルミニウムシャフトとロウで
接着固定されています。
写真の左側のバルブは接着剤で固定されていました。
部分的に修理したものと思いますが、正しい方法ではありません。
バルブのロウが残った状態で接着されているので、
接着剤もきちんと付かないと思います。
やはり、この楽器はどこかでメンテナンスを受けていたようです。


上の写真のバルブの裏側です。
接着剤で修理されていた方は皮が張りかえられていました。
赤い皮が使われています。
修理されていない方の皮は酷い状態です。

今日はここまで..


monte accordionの地震計2012/12/07

店内に設置してある緊急地震速報の警報が作動しました。
パソコンでテレビを見ると..


またもや東北での地震です。
東日本大震災の余震と思いますが震度5で津波警報が出ている所もあります。
NHKの速報では強い口調で海岸からの避難を呼びかけていました。



ここ名古屋市では殆どの人は地震を感じない程度でしたが、
情報が分かっていて意識してじっとしていると揺れが分かりました。
ゆっくりとした目眩の様な揺れです。
店に置いてある吊り下げられた状態のジジ人形が揺れるので
小さな地震も目視で確認できます。
やっぱりいつか来るのでしょうか、東海、東南海地震。
できれば来て欲しくないものです。



鍵盤のバルブ交換2012/12/09

ダブルチャンバーの楽器の鍵盤のバルブ交換をしています。



鍵盤からバルブを取り外し、古いフェルトと皮を取り外しました。
鍵盤の数の倍、82個あります。
フェルトの色は何故か赤と緑。
イタリア製だから?



鍵盤の受けとなる木の部品が破損して接着剤で修理してありました。
やはり、この楽器は過去にメンテナンスを受けている様です。
しかし、適していると思えない接着剤を使用している上、
かなりはみ出ていて仕上げが美しくありません。
まあ、見えない部分ですが..



鍵盤には順番が分かる様に手書きで番号が記してありました。
不思議な事に2、3、4、5ではなくて、2、3、5、4になっています。
文字の癖からイタリア人が書いたものと分かります。
勿論、番号が入れ違っているだけで、部品そのものは正しい位置に入っています。
外す前に気付いてよかった..
文字を信じて組み立てると後でハマるので。