古くて小さな楽器2014/06/25

かなり古い小さな楽器の修理を承りました。
取り敢えず点検と見積りという段階です。
ちなみに、修理のための点検と見積りは無償で行っております。


かなり小さいボディーの楽器です。
鍵盤が多いので見た目、大きそうですが鍵盤が細いので通常より小さいです。
メーカーは、Lolo? Foro? Jolo?
多分、イタリア製でしょうか?
見た感じでは70~80年程度前の物でしょうか。


鍵盤の幅は16ミリしかありません。
一般的なサイズは19~20ミリで、細いタイプの楽器でも18ミリ程度です。
ですので、16ミリはかなり細く、大人には扱いが難しくなる幅です。


鍵盤の高さはバラバラになっており、深さもかなりあります。
バルブ材の劣化によるものですので、バルブ材(皮、フェルト)の交換と
高さ調整が必要になります。


グリルカバーを留めるネジの受けが割れてしまっています。


蛇腹のパッキンシールはスポンジゴムが使われていますが、劣化しています。


そして、スポンジゴムのシールの下には古い皮製の
パッキンが貼ったままになっています。
手抜き修理です。
空気漏れがかなりありますが、シールに起因するものが全てでは無さそうです。


幸いリードには目立った錆はありませんでした。
樹脂のリードバルブは後に交換された物と思いますが交換時期です。
番号が書かれていたりしますので、今までに修理を受けた事があるようです。
リードのロウは劣化しているので全て取り去った後に取り付けし直す必要がありますが、
かなりの修理費になってしまいます。

ここまで古い楽器で、空気漏れも相当ありますので、楽器として使うためには、
殆どの部分を改める必要があります。
小さな楽器ですが費用はかなりの金額になり、
新しい同等品が購入できるような金額になってしまいます。
アコーディオンに限らず、40年を超えた機械や道具などは費用が掛かるのを
承知で手に入れる覚悟が必要です。
楽器でなくとも、車やバイク、蓄音機とかオルゴールとかカメラとか..
そういう物と思います。
大体、古いアコーディオンはオークションで流通している場合が多いですが、
完全にレストアしてあれば安くても30万円以上はします。
20万円以下の古い楽器は幾ら見た目が良くても、
音が出ます、使えます、と書いてあっても、そのままでは使い物にはなりません。
このことを分かった上で購入しないと無駄な出費となります。
或いは、本当のアコーディオンの良さを知ることができないでしょう。


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