アコーディオン内蔵マイク取り付け2014/08/06

アコーディオンに内蔵するマイクの取り付けを承りました。
取り付けるマイクはイタリア製のアコーディオン用として作られているものです。
バンドで使用しているアコーディオンという事で、それっぽくデコってあります。
爆音系のバンドの場合、アコーディオンはドラムやベースに負けてしまいます。
マイクを立てたり、外にフレキシブルの物を付けても、
音量を上げるとハウリングが出てしまいます。
そんな時には楽器に内蔵するマイクが一番です。
音源(楽器)がマイクに近ければマイクの感度を上げる必要がありませんので、
周囲の音を拾いにくくなり、ハウリングもしにくいという訳です。


マイクの取り付けで楽器を開けますが、異常が幾つか見つかったので修正します。
ベース側のリードの木枠が大きくずれていました。
固定が緩んでいます。

ベースリードの木枠の位置決めをしている木の小さな部品も取れていました。



ベースのレジスター(音色切り替え)でスライドする機構の位置決めをする
バネが所望の位置から外れて機能していません。
これでは演奏中にずれて音に異常が出ます。


楽器の内部から小さな金属片も出てきました。
これはリードそのものですね。


という訳で、ベースリードの一つが折れていました。
ベースリードは1音で複数のオクターブ違いのリードが鳴っていますので、
一つが折れても気づきにくい時があります。


本題のマイク取り付けを行いながら楽器の不具合を取り除き、
無事に内蔵マイクの取り付けが終了しました。

エレキギターの様にシールド線1本で右手とベースの両方の音が取れます。
(2系統で出力する方法も検討できます)
左右の音量バランスは手元のボリュームで調整できます。
見た目もスッキリで、外付けの汎用マイクの様にアコーディオンからツノが出ませんし、
配線を複数引きずる事もありません。
セッティングにかかる手間も大幅に省けます。

エレキギターと同じ出力の仕方ですので、製品として豊富に出ているエレキギター用の
エフェクターやアクセサリーなどが使えます。
上の写真は、エレキギター用のワイヤレス送信機を挿したところです。
これで自由に動き回れます。
ワイヤレスの良い点は自由に動ける事以外にもう一つあります。
リハで客席側で自身の演奏を聴いて音を確認してセッティングできます。
cobaさんはこの方法で細かいイコライジングや音量を調整しています。
ステージで聴く音と席で聴く音は違うのでこれは重要な事です。
誰かに聴いてもらう事もできますが、自分でワイヤレスで席側で確認すれば
間違いはありません。

バンドでマイクを立てての演奏は野暮ったいでしょう?
これでステージ上でハウリングを恐れず暴れることもできます。
さすがに、スピーカーの前に立ったらハウると思いますけど..

内蔵マイクは気になるけど、実際どうかな..という方、
monte accordionでは実際に内蔵したアコーディオンがありますので、
見たり、試したりする事ができます。
ご興味ございます方は是非一度、ご来店ください。


古くて小さな楽器の修理2014/08/09

以前に点検と修理の見積もりをさせていただいた、
古くて小さな楽器の修理を開始しました。

http://accordion.asablo.jp/blog/2014/06/25/7516048




小さい楽器ですが、超細鍵盤ですので、
34鍵盤あり、内部にはその4倍の136枚のリードが入っています。
右手側だけで136枚です。


そのリードは木枠にロウで付けられていますが、
経年でロウが劣化して脆くなっているため、各所にひび割れがあります。
リードの固定が悪くなると音に雑音が出たり、調律が安定しなくなり、
楽器として使用する事が厳しくなります。


こちらもリードの接着に問題が出ています。
40年以上経過した楽器は早ければこのような劣化が出ます。
修理するには全てのリードを木枠から取り外し、
付いている古いロウを綺麗に落とした後に新しいロウで再び取り付けます。
この作業は大変時間が掛かりますので、費用もそれなりに必要となります。
ですが、殆どの古い中古楽器はこのような修復はなされていません。

今、大丈夫でも新品より経過年数分だけ早く問題が生じ、
その時には多額の出費が必要となります。
安いという理由で中古を購入しても、後に費用が掛かることを
理解した上で中古を購入しないと後で後悔する事になります。
ロウだけではなく、皮、フェルトなど、その他にも劣化する箇所があります。
問題が出た場合はそれらの劣化部分を交換する必要があるので、
古くて安い中古は、本当は高くて古い中古という事になります。
また、本当の意味で完全に修復されたアコーディオンは安くなりません。


こちらはベースのリードです。
ベースボタンの数は少なくても、和音を出す為に1オクターブ分必要です。
48ベースでも120ベースでも必要なリードの数は変わりません。
通常のアコーディオンでは3~4オクターブの音を重ねていますので
ベース側にも多数のリードが内蔵されています。
この楽器では96枚あります。

この楽器は一部のリード列が本体に直付けされています。
上の画像がその部分ですが、こういう楽器は修理や調律が大変になります。


この楽器は酷く空気漏れしていますが、その原因のひとつは、
開閉して空気を止めたり、流したりするバルブにあります。
バルブの当たり面に付いている皮とフェルトでできたバルブ材が
接着剤の劣化により剥がれてずれています。


剥がれたバルブ材を取り外しました。
赤い部分は羊毛のフェルトで白い部分は天然の皮(革)です。
フェルトの上に付いている接着剤が劣化してボロボロになっています。
一つがこの状態という事は他の剥がれていない全ても同じことになっています。
つまり、いつ剥がれて音が出たままになってもおかしくないという事です。


これは剥がれたバルブ材の裏面(皮の方)です。
空気が通る穴の形が段になって残っています。
バルブ材である皮やフェルトも劣化して交換が必要になる箇所です。
劣化して硬くなったバルブ材は空気を止める能力が落ちたり、
鍵盤を離した際の閉じる音が大きくなります。
これらを交換する作業はとても時間が掛かる難しい作業となります。
やはり、殆どの古い中古楽器では交換されずに流通しています。


バルブ同士が接触している箇所もあります。
これではバルブの動きに問題が出ます。
この楽器はベースボタンが落ちてしまっていますので、
何らかの強い衝撃を受けたと思われますが、
そういう影響が内部にも出ています。


バルブがずれて空気が通る穴が見えている箇所もあります。
この状態も空気漏れの原因のひとつです。


ベースボタンが全て落ちてしまっていますので
ベースメカニックを取り出しました。
この楽器は少しの分解で全てのメカニックが取り外せるタイプでした。


メカニックは簡単に取り出せましたが、ボタンが落ちた影響で
内部のメカニックやボタンに歪が出ていますので、
結局、全てバラバラに分解して調整しながら組み付ける作業が必要となります。


ベースメカニックの一部に使われている木の部品に破壊箇所がありました。
古い楽器は劣化部分があり、修復が大変になりますが、
加えて衝撃を受けている物は更に多くの修復作業が必要となります。
この楽器は小さい物ですが、かなりの時間が必要になりそうです。


続、新品の整備2014/08/11

2週間ほど前に、中国製の新品アコーディオンの整備について書きました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2014/07/24/7532433

今日は、同じ型の新しく入荷した楽器を整備しています。


右手側のリードですが、ロウを用いた木枠への接着が悪く、
リードとロウの界面に隙間ができています。
数日前に書いた古い楽器のロウの劣化と似ていますが原因は全く異なります。
http://accordion.asablo.jp/blog/2014/08/09/7555230

こちらは新品ですので、単に施工に問題があるという事です。


こちらも同じ状態です。
このような所はロウを加熱して補修を行います。
新品の場合、ロウは劣化していませんので、
多少、見た目が悪くても問題が出る事は少ないですが、
後に影響が出る可能性がありますので補修します。


これはリードから外した皮製のリードバルブの不良品です。
発音異常や調律に影響が出ますので悪い物は交換します。


蛇腹留めを本体にネジ留めしている部分ですが、
あらかじめ本体側に空けておいた下穴と実際に貫通したネジの軸があっていません。
なので、ネジは奥へ入ることができず、少し飛び出た状態になっています。

前回と同じ様に、新品でも細かい不具合が幾つもあります。
揚げ足を取っているみたいですし、暴露という意味はありませんので、
全ては書きませんが、中国製に限らず、
イタリア製の有名ブランドの新品でも同じように不具合が点在します。
調律を含め、時間をかけて点検、整備する事でその楽器が持つ本来の性能を引き出し、
楽器をお渡しした後の不具合をできるだけ少なくする意図があります。
アコーディオンは同じ機種、同じブランドでも、購入する店で違いがあるという事です。
複雑な構造の特殊な楽器ですので、どこで買っても同じでは無いのは
ピアノ、金管楽器などと同じかと思います。

必要な整備を行う為、ご成約後にお時間を頂く事となっており、
大変ご迷惑おかけいたしますが、何卒ご理解のほど宜しくお願い致します。

CD入荷 「夏への扉」2014/08/13

田ノ岡三郎さんの新しいアルバムが入荷しました。

アルバムタイトルは「夏への扉」です。
ジャケットの写真は海外で撮ったのかと思う程、綺麗な海ですが、
日本で撮影したという事です。
中には、アコーディオンが..という写真もあります。


大半が田ノ岡さんのオリジナルですが、カバーなども少しあります。
夏や旅をテーマとしたアルバムですが、ジャズやボサノバもあり、
ミュゼット風ワルツあり、少し憂いを帯びた楽曲で夏だけでなく一年を通じて楽しめます。

聴いた瞬間、良いと思ったのは録音の状態です。
インストゥルメンタルの超人気プレイヤーのCDを聴いているようなクオリティーで、
アコーディオンだけでなく、他の楽器もきちんと聴こえてバランスが良く、
大変気持ちが良いサウンドです。
アコーディオンは勿論、バイオリンやチェロ、ピアノの音が心地よく、
スティールパンの音が夏らしさを感じさせるスパイスになっています。

チューブ入り2014/08/14

スーパーで買い物中に、いいものを見つけました。


チューブ入りの黒いもの。



なんでしょう?














チューブ入りの餡子です!
しかも、つぶあん。
「肉まん、あんまん」で有名な井村屋です。



一緒に買ってきたのはバニラアイス。



さっそく試します。
怪しい画像ですが、アイスクリームとチューブ入り餡です!


大変美味しく頂きました。
このコンボネーション最高です。
買ってきたアイスとチューブ餡の分量だと、あと2回これができそうです。

小倉トースト発祥とされる名古屋には、マーガリン&餡の菓子パンや、
ソフトクリーム&餡というスイーツがあります。
http://accordion.asablo.jp/blog/2012/06/09/6537647


以前にこんな事も書いていましたね..
http://accordion.asablo.jp/blog/2013/03/14/6867807



他にも、こんな物もあります。
チューブ入り赤味噌。
愛知県の人は高確率でこれが冷蔵庫に入っています。
いつでもすぐに味噌トッピングできます。