ヤマハアコーディオン2014/08/30

古いヤマハ製のアコーディオンの修理を承りました。



このブログにも時々登場するJISマーク付きの80ベースの物です。
製造から40年程度経過していると思います。


アコーディオンの中のリードです。
リードに貼り付けてある皮製のリードバルブ(さぶた皮)が反っています。
この楽器ではいつもこのような状態ですので開けなくても分かります。
反りが出た時の特有のノイズも出ています。



リードを拡大したところですが、皮の反りが大きい事が分かります。
樹脂製の細い部品も必ずと言っていいほど、反りが出ています。
ただし、この部品の場合は反りの方向が2種類ありますので、
製造時に表裏の区別ができるものと思われます。
リード自体には錆もありませんし、リードを留めているロウも
なんとか大丈夫そうです。



音色切り替えの為のシャッターが変な位置で止まっています。
アルミニウムの錆で固着してしまっている場合もありますが、
幸いこの楽器は別の原因です。



原因はスイッチにあります。
見ての通り、一つが跳ね上がっています。



よく見るとスイッチから伸びる金具が変形しています。
この為、スイッチが元に戻れなくなっています。
恐らく、何かで引っ掛けて本来と逆の向きに強く作動したのでしょう。

この楽器を楽器として修理するには、リードバルブを全数交換し、
その後、調律を行う必要があります。
その他にもパッキンを交換したりスイッチを直したりする必要があり、
新品の中国生産のアコーディオンが買えそうな金額になりますが、
このヤマハのアコーディオンは修復すると大変鳴りの良い楽器になります。
ですので、修理費をかけても直す価値があります。
ベースも80ありますので60ベースや72ベースと違い、
弾ける調の制限が少ないので、その意味でも良い楽器と思います。