クラビエッタ修理2014/09/03

偶に、クラビエッタという鍵盤ハーモニカの修理があります。



今回の修理品です。
クラビエッタは既に生産終了してから年月が経ちますので、
修理に来る物は経年の傷みが出ています。



本体のパッキンはボロボロなので交換です。
この楽器はバルブのゴムは劣化が少ないので取り敢えず、
このまま使用する事にしました。



溜まった水分を排出するドレンバルブです。
オリジナルのアコーディナと同じ会社が作っていたので
バルブの形状や作りがソックリです。
ここのパッキンは交換です。



バルブを外したところです。
バルブの当たり面に黒い痕が付いています。



バルブ付近の拡大です。
バルブのネジはとても細い特殊な物です。
誤って折ると面倒な事になります。
黒いのは汚れだけではなく、錆っぽい感じで凹凸になっています。
空気漏れの原因になるでしょう。



こちらは鍵盤を固定しているネジとバネです。
このネジも極細の特殊な物です。



バルブと取り付けネジを外すと鍵盤が取れます。



バルブを外した時に中心に見えるネジは鍵盤の真裏から出ています。
鍵盤を押すとこのネジを介してバルブが開くしくみです。



黒鍵も取り外しました。
鍵盤の下にはフェルトが接着されています。



フェルトは交換するので取りました。
バルブ、ネジ、バネ...鍵盤の数だけあります。
全て専用部品で代わりがありません。



必要な部品の交換と組み立て、調整を済ませました。
画像がピンボケなのはバルブ周りの金属表面に映っている
背景にピントが合っている為です。
黒い錆と汚れを綺麗に取り除き、鏡面に研磨しないと
このようにはなりません。



本体部分と外装ケースです。
鍵盤があるだけのような究極のデザインですね..
この後、調律を行って作業終了です。


ヤマハアコーディオン22014/09/09

古いヤマハ製のアコーディオンの事を書きました。

実際に修理作業を行いました。


古くなって反りと硬化が出ているリードバルブですが、
所々、カビが出ていました。



上から見ると皮の一部に白い綿状の物が付いています。
皮は新品に交換するのでカビがあっても構いませんが、
このような状態の古い楽器を知らずに使っているのは体に悪そうです。
中を見ていないオークション物は要注意ですね。



中に日付がありました。
昭和52年製造の様です。
1977年なので37年前という事になります。
40年前くらいと思っていたので、大体予想通りです。



右手側のスイッチに問題があるので分解修理しています。
これでスイッチが跳ね上がった状態が直るだけではなく、
動きもスムースになります。



右側のスイッチは直りましたが、ベースの切り替えにも問題がありました。
シャッター部分がこの状態で固着しています。



リードの木枠の下になる部分の板を取り外すと
盛大にアルミニウムの錆が出ていました。



スライドするシャッター部分と周囲の金属が錆びて固着しています。
慎重に分解して研磨する必要があります。



アルミニウムの板が接している木の方にも酸化アルミが付いています。
よく見ると一部のバルブは隙間が開いています。
空気漏れの状態です。



ベースバルブの空気漏れを修理する為にベースメカニックの分解をしました。
部品点数が多いので大変です。



37年前に動きを良くする為に付けられたグリスは
劣化して動きを悪くする原因になっています。



ベースボタンの端部受けている櫛型に加工されている木の
一部が破壊していました。
これも時々見かける不具合です。



古い楽器ですので、色々な不具合が複合的に起きていましたが

ベース部分の修理も完了し見た目も含めて見違えるようになりました。
後は調律をすれば楽器として使えるようになります。


ベースボタン戻し2014/09/13

ベースボタンがバラバラになってしまった楽器の修理を承りました。
楽器は120ベースの中国製の古い物です。



ご覧の通り、ベースボタンが引っ込んでしまっています。
引っ込んでいるのはベースの2列で、その下の maj、minボタンは
見た感じ問題なく、7thとdimのボタンは引っ込んでいるのではなく、
付いていません。



一見、大丈夫そうに見えた maj、minボタンも突き出している
長さがバラバラです。



無くなっている 7thとdimのボタンですが..
ご覧の通り、外れて纏められています。
つまり、元の位置が分からなくなっています!

ベースボタンに何か異常があったらしく、それを自分で直そうとして
分解して戻せなくなったとのことです。
正確には、持ち主でない方がやってしまったとの事です。



ガムテープで補修してある箇所もあります。
直せなかったので、仮止めしたのでしょうか。



ボタンのエンド部分にあるクッションが無い箇所もあります。
これは元からかも知れません。



取り敢えず、和音のボタンは全て外しました。
ベースボタンは入っていますが、凸凹があります。
付いているボタンも位置が信用できないので一旦外して、
調整と動作確認が必要です。
全部修理した後に位置が違う事に気づくと最悪ですので。



ベースボタンは抜き取りが難しい楽器があります。
この楽器も容易に取れないタイプで、それを無理に取り外した為、
細いアルミニウムでできたボタンは曲がってしまっています。
こうなると、単純に戻すだけでは済みません。



更に恐ろしい事に、ボタンと直行するベースメカニックの
金属部品に曲がりが大発生しています。
本来は垂直に伸びて、各列ごとに直線状に並んでいる物です。
この画像、同業者が見たら(あまりいませんが..)かなりショックと思います。
私も一瞬、ダメかも..と思いました。



分解する際に戻す時の事を考えて書いたと見られるマーキングがあります。
細かい部品にはマークできませんし、精度が必要なので
マーキングでの戻しは有効ではありません。



古い楽器ですので、バルブの皮とフェルトは交換時期に来ています。
ですが、今は後回しというところです。
ここまで分解しますし、調整も行うので本当は同時に
交換作業する方がトータルの費用としては安く済みます。



ベースボタンを戻しました。
高さも揃っています。



majとminのボタンも戻しました。
書いたら簡単ですが、大変苦労しました。



本来、一直線に並んでいる筈のベースメカニックのピンですが、
前後(左右)に大きく振れています。
ピンセットで左側に寄せている所だけ見ても手前の4本以降の
ピンは位置がバラバラです。
実際は、手前の4本もこれ以上の精度で並んでいる必要があります。



これは別の楽器のベースメカニックです。
これが正常な状態です。
手前の画像と比べると全然違います。
黄色い部分は高級機に付いている消音と滑らかさを出す為の物です。



ボタン側の歪もかなりあります。
ボタン側とベースメカニック側の歪を取り、正しい位置に調整しながら
ボタンを組み付ける必要があります。
今回はボタンの元に位置が分からなくなっている為、
ボタンの位置の検証も必要です。



という事で、3日間かけてようやく作業が完了しました。
ベースメカニックは絶対に自分で分解しないようにしましょう。
仮に元に戻せたとしても、微妙な調整がずれて空気漏れを起こしたり、
ボタンの遊びが増えてしまうことがあります。

アコーディオンは複雑な作りであるだけではなく、
精密に調整されている楽器ですので、ベースメカニックに限らず、
自分で分解するのは止めておいたほうが良いです。
どうしてもという方は不要な楽器で試しましょう。

自分で修理してうまく行ったように見えても、細かい部分で以前と違う
セッティングになっている場合があります。
その影響は小さい場合もあるので気づかないかも知れませんが、
分かる人が使えば気になります。
小さな影響も知らずに使えば、ずっと「分かる」人にはなれないかも知れません。



円頓寺商店街2014/09/14

仕事を抜け出して円頓寺商店街へやってきました。
円頓寺商店街は名古屋駅の北東800mほどの位置にある古い商店街です。



円頓寺の交差点です。
何故か水戸黄門がいます。



円頓寺商店街はちょっとした不思議空間です。
今日は平日でお祭りという訳でもありませんが、こんな風でした。
紅白提灯にペガサスが飛んでいます。



古いスーパーと神社が隣り合っているのもいい感じです。



古い文具店の前には金シャチ。



アーケードの天井に張子の猫あたま。



「じゃばらむ」かと思ったら「しゃばらむ」でした。
「蛇腹夢」だったら良かったのに..



さて、円頓寺に来たのは遊びに来た訳ではなくて、
10月に行われるパリ祭というイベントの説明会があるからです。
昨年同様、2回目となるパリ祭に今年も参加させていただく事になりました。



説明会の後、今年のmonte accordionのブースの位置を確認しに来ました。
古い家電店の前が今年の場所です。
丁度、National と書いてある辺りです。
背面がシャッターで平らな面ですので、音が前に出て良さそうな場所です。
万一、風雨があっても大丈夫そうですし。
家電店前というのが個人的には萌えます。
隣のブースはピザ屋さんという事で、今年も面白い事になりそうです。


円頓寺 秋のパリ祭 20142014/09/15

昨年、初めて行われ大盛況だった「円頓寺 秋のパリ祭」が今年も行われます。
日時: 10月11日(土)、10月12日(日) 11~20時
場所: 円頓寺商店街 名古屋市西区那古野1丁目
野外ライブ: 11日 ザッハトルテ 他 / 12日 田ノ岡三郎 他

昨年に引き続き、monte accordion も出店させていただくことになりました。
当日は、楽器展示、演奏の他、アコーディオンの体験もできます。
また、演奏ができる方は、飛び入り演奏できますのでストリート演奏をしたい方は
是非、monte accordionブースまでいらしてください。(貸し出し楽器もあります)

詳細は下記をご覧ください
http://endoji-paris.net/index.html