両鍵盤 修復3 ― 2014/11/09
両手側ともに鍵盤になっている古いアコーディオンの修復をしています。
前回まではベース側のバルブ材を全て交換し、バルブを元の位置に戻し、
左鍵盤周辺の部品を戻しました。
鍵盤からの動きをバルブの開閉へ伝える箇所です。
鍵盤の数と同じ29個箇所あります。
曲がっている所もあります。(画像の右から3番目)
一つずつ、曲がりの修正や隙間を調整します。
これは同じく、鍵盤の動きをバルブに伝える機構ですが、
この楽器はメカニックが2階建てになっています。
一段目が終了し、2段目でも同じ作業をします。
メカニックの調整を終えて鍵盤を組み込む前の段階になりました。
見た目にも、だいぶ戻ってきた感じです。
分解する時には気づきませんでしたが、鍵盤を受ける大きな部品に
漢字の「上」らしき鉛筆書きを発見。
反対側を見ると「下」がありました。
以前に日本で分解された事があるという事でしょうか?
鍵盤が入る部分の脇ですが、黒いセルロイドが剥がれて浮いています。
修理しないと鍵盤と干渉しそうです。
一つ目の鍵盤を入れました。
うまくバルブの動作ができているようです。
鍵盤の後端は少し飛び出ていて、金属の部品に引っ掛かり、
鍵盤の高さを保っていますが、どういう訳か、場所によって引っ掛かりがギリギリです。
外れると鍵盤が浮きますので確実にしたいところです。
仕方がないので、鍵盤の後端を延長しました。
何箇所か、この処置を必要としました。
半分終了。
全ての鍵盤が入りました。
動作も問題ないので取り敢えず、ベースメカニックの修理は終わりです。
リード周辺の未整備や空気漏れの関係で、修理の成果を試せないのが残念。
ベースの蓋部分の布が傷んでいます。
左鍵盤、両脇の窓の布も剥がれています。
布を新しい物に交換しました。
古い布地には黒い水玉模様が..
窓の部分張替え完了です。
ベース鍵盤部、修復完了!
後は通常の古いアコーディオンの修復と同じ工程ですが、
リードの再接着、リードバルブの交換、右手バルブの交換、調律など、
まだかなりの時間が掛かります。
他の短い期間の作業が停滞しますので、この楽器はこれで一時中断です。
合間を見て修復を進めて行く予定です。
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