コンサーティナ修理22014/11/24

コンサーティナの修理を承りました。
点検の結果は前回の記事としました。



ずれて空気が漏れている空気ボタンのバルブです。
バンドネオンと同じように押し引き異音のダイアトニックですので、
場合により瞬時に蛇腹を戻す必要があります。
その為、大きな開口部に大きなバルブが付いています。
少しずれているので穴の一部が僅かに見えています。



バルブの皮が傷んでいるので新しくしました。



これは元の状態です。
皮には丸い跡が残っていて、バルブの端ギリギリになっています。
また、後で分かりましたが、バルブの当たりが板と平行になっていない為、
空気漏れの原因となっていました。



新しくバルブの位置をイメージして鉛筆で下書きしました。
これで、ど真ん中で塞ぐ事ができます。



蓋のパッキンを全て交換しました。
元の前回の記事にある元の状態と比較して隙間なく貼っています。
皮の方も新しくスポンジゴムに交換しました。



パッキンの貼り換えで気づきましたが、リードごとにある隔壁に
割れがある箇所がありました。
ここからも空気が漏れるので修理しました。
よく見ると、端面も綺麗な面が出ていません。
やはり空気が漏れる原因になるので修理が必要です。



割れだけでなく、加工不良で隙間ができている所も..
これも修理します。
空気ボタンの位置や加工不良など、製造当初の不具合と、
後の修理による不具合が共存しています。
空気漏れは一つずつが少量でも多数合わさると大きな漏れに繋がります。



これはリードですが、リードの裏面にはリードバルブという
薄い皮の部品が貼られています。
これだけ見ると別に問題ないように見えますが..


手前の写真と同じリードで、片方のリードバルブを外したところです。
注意していないと分かりませんが、リードバルブの貼られている付け根の方に
リードの可動部分の先端が来ています。
通常、リードもリードバルブも大きく動く先端の向きを揃えてあります。
何故かそれが逆になっている箇所があり、リードが振動して動くと
開かない側のリードバルブの付け根にリード先端が当たる可能性があります。
何故、このようになっているのは不明ですが、そういう所が幾つかありました。
該当箇所はリードバルブの向きを修正しました。



リード周辺では他にも、貫通穴が狭すぎて
リードの幅ギリギリになっている所がありました。
リードが僅かに触れている箇所あります。
該当箇所は穴を大きくする修理を行いました。



ボタンからバルブに繋がるアームの中心部軸受けが修理されている箇所がありました。
修理が悪く、アームにブレが出て、先にあるバルブの位置がズレて
空気漏れする事があります。



元の修理を外して、シンプルで確実な修理を施しました。
軸のブレが無くなったのでバルブの着地点もズレが無くなりました。
このほか、バルブのズレや傾きが問題になっている箇所があり、
当たりを確実にする修理を行いました。

ここまでの修理を行う事で空気漏れをかなり改善しました。
後は調律を行うだけです。
と言っても、コンサーティナの調律は結構大変なので、もうひとヤマあります。