調律前2015/02/01

アコーディオンの調律を承りました。
少し前にも調律の前に行う処置について書きました。



今回も同じメーカーのイタリア製アコーディオンの調律です。
上の画像の中央のリードはリードの破損か何かで入れ替えれたようです。
固定の為のロウの色が他と違いますし、よく見るとリードも
同じ形ではありません。



問題はリードではなくて、取り付け方です。
ロウの接着が丁寧ではなく、隙間に十分にロウが流れていません。



こちらも右手側のリードですが、薄い皮のリードバルブを
押えている細い金属製のバネの形状に問題がある箇所が幾つかあります。



これは木枠の内側から見たリードですが何か変です。



リードを接着した時のロウが隙間から中に流れて
リードバルブの側面まで出てしまっています。
これではリードバルブが殆ど開かないので音に影響が出ます。
恐らく、製造時になったエラーと思いますが、
最初の調律で気付けなかったのかな..と思います。

という事で、調律にかかる前にやるべき事は沢山あります。


両鍵盤 修復62015/02/09

左手側も鍵盤になっている珍しい
ビンテージアコーディオンの修復を行っています。



前回の修復からだいぶ日にちが経ってしまいました。
長期に渡る修復はどうしても途中に他の仕事が入るので遅くなります。

鍵盤部分ですが高さのバラつきがあります。


深さも8ミリ以上あり、深過ぎます。



鍵盤の先から伸びるアームの先端にあるバルブです。



鍵盤を押すとバルブが開いて空気が通り、音が出ます。
鍵盤の高さのバラつきや深さが深いのはバルブに貼ってある
皮製のバルブ材が古くなっている事が一因です。
この楽器は古いので皮のみで通常、張り合わせてある
フェルトが付いていません。
なので、鍵盤高さや深さの異常は他の原因もありそうです。



鍵盤を取り外しました。
これがバルブの皮の貼ってある面です。
白いバックスキンが貼ってありますが、
黒く汚れている所は空気漏れが起きている可能性が高いです。



鍵盤を外した本体の方です。
鍵盤とバルブが無いとただの穴の空いた板です。



USA特許の刻印があります。
どの部分が特許になっているのでしょうか?
どちらにしても既に特許は有効期限を過ぎているでしょう。



鍵盤の下にあるストッパーの役割をする厚手の布ですが、
古くなって薄くなり、所々ほつれています。
鍵盤が深いのはこれが原因でしょう。



バルブの当たり面はガサガサになっている箇所があります。
空気漏れの原因になります。



古いバルブ材の皮を全て剥がしました。
この後、新しいバルブ材を用意してバルブに貼り付けて修復します。



両鍵盤 修復72015/02/10

昨日に引き続き、両手側共に鍵盤になっている
古いアコーディオンの修復をしています。



劣化したバルブ材の代わりに新しい物を準備しました。



バルブが当たる面が荒れていましたが綺麗にしました。
これでバルブを取り付けて行きたいところですが、
別の作業を行います。



これは鍵盤部の真裏です。
厚紙でできたカバーを外してあります。
この楽器が右手のリードセットがMMMLですが、
鍵盤の淵にあるパームスイッチでLリードのON/OFFができます。
現代の楽器の様に沢山のスイッチは無く、これだけです。
このスイッチの動きが悪いので修理します。



スイッチの機構部の横に何か書いありました。
Repaired By Narolel Bauex?
Nov 21-1999
と、書いてあるように見えます。
修理した人の名前と日付の様ですが、名前はハッキリ分かりません。
文字の感じ、名前、日付の書き方から、日本では無いでしょう。
16年前ですが、このリペアがどの範囲の事なのか分かりません。
状態はあまり良い楽器ではありませんので、
応急的なリペアなのかも知れません。



Lリードの切り替えスイッチの機構ですが、分解清掃が必要です。



この機構は鍵盤裏の板を貫通するビスとナットで留めてあるので、
鍵盤が外してある今が修理をするには都合が良いのです。
鍵盤が付いているとナットが落ちれば面倒ですし、ネジ回しもできません。


ベースメカニックの修理依頼2015/02/10

ベースボタンの修理を承りました。
ベースボタンに不具合が生じ自分で分解して
戻せなくなったという事です。



楽器はこの状態です。
ちょっとビックリしましたが、ボタンの順番については
考える必要がなさそうなので少し安心。

昨年はこのような事がありました。



ボタンは楽器に付いた状態ですが、何故かボタンの裏にある
穴の空いた板は取り外されています。
ボタンを分解せずに板をどうやって外したのか不思議です。
普通に考えてできないと思うのですが..
ボタンが楽器に付いた状態で板を外したとなれば
メカニックに負担をかけて各部に歪が出ている事が懸念されます。



楽器と共に渡された部品です。
ベース部分の蓋と、ボタンの裏の板と、ネジ数本。
いずれにしてもボタン部分を全て取り外した後に
組み付けて行くしかありません。


てんぐの看板に足場2015/02/11

金山駅からモンテアコーディオンまでの道で
分かれ道となる部分にあった天狗の面が無くなりました。


今日、通ると足場が組まれて作業している人がいました。
てんぐリニューアルなるか?