大型フリーベースの調律2015/03/22

プロ奏者の方の大型アコーディオンの調律を承りました。
昨年12月に日帰りで応急的な調律を行いましたが、
今回は本格的な調律をさせていただきます。



ボタン式のフリーベースですが、大量のリードが内蔵されています。
右手は64音、HMMLですので、右手側だけでリードが512本あります。
41鍵盤、HMMLのアコーディオンで、左右足しても512には達しません。
64音域があると難しい高音域のリードも増えますし、ダブルチャンバーなので
調律の難しさは最大級の物です。
あまり考えると苦しいので無心で進めるしかありません。



やはりプロ奏者の楽器だけあって古い楽器ではありませんが、
角の部分が擦り減ってセルロイドが無くなり、中のアルミニウムが見えています。
大腿部分に当たるので削れるのだと思いますが、
厚いセルロイドが無くなる程の練習を重ねているという事でしょう。



チャンバーの囲い部分ですが、面白い構造をしています。
この楽器はアルミニウムの板で囲ってありますが、細かい凹凸が付けてあります。
音響的な効果を狙ったものと思います。
チャンバーの囲い部分は材質や貼ってある物などで各社、工夫がみられます。



古い楽器ではありませんが、プロが道具として使用しているだけに
それなりの影響が出ています。
調律に入る前にできるだけ良い状態にする事か始めます。
前回は3時間という限られた時間でしたので、細かい部分は見られませんでした。



木枠の内側のリードバルブも反りが多発しています。
数が多いだけに調律前の整備にも時間が掛かります。