両鍵盤2の修復42015/11/14

左手側も鍵盤になっている珍しいアコーディオンの修復を行なっています。


他の修理や調律の合間を見て少しずつ進めてきましたが、
ようやく最終仕上げの段階にきました。




操作系、発音系の修理を行い、調律も終わり、
最後に外観の修復です。

メーカーロゴ部分のラインストーンが欠けています。
最初に同じタイプの楽器を直した時も同じように欠けていて、
修復を行なって出荷しました。




ラインストーンを修復しました。
その他、グリルカバーの網、金具類の研磨、
楽器全体の研磨を行い、外観の修復が終わりました。



これでようやく出荷できます。
最初に修理をさせていただいた同じタイプの楽器よりも
年代が少し新しいので見た目も綺麗に仕上がりました。
手前の袋詰めは、交換して取り外した劣化部品です。
後は梱包して発送するだけです。



耐久性2015/11/30

中国生産のドイツブランドの低価格なアコーディオンの修理を承りました。
サイズによりますが10~20万円程度で販売されている製品です。



不具合は蛇腹からの空気漏れです。
ご覧の様に蛇腹の角の部分の金具が取れて
紙でできた部分の合わせ目が剥がれて激しく空気漏れしています。



蛇腹は四角形なので角は4つあります。
蛇腹の枚数×4角の数だけコーナー部分があり、
強度を保つ為に金属のカバーが付いています。
これは最初の写真と違う角部分ですが、同じように何箇所か傷んでいます。
自分で都度、補修して使っているとの事ですが、
今回、角部分の金具が無くなってしまい、修理となりました。



バンド系で激しく使っている方で、自分での補修は接着剤と黒ガムテープです。
このアコーディオンは安い楽器ですので耐久性が乏しいです。
バンドで激しく使っている事も一因ですが、ヨーロッパの楽器なら
よほど激しく使っても簡単には傷みません。
耐久性が乏しいと言っても通常の使い方で
数年でダメになる事は無いと思います。

初心者のエントリー楽器として使用し、短期間での買い替えを
予定している場合は選択肢としてあると思います。
ただ、耐久性以外にも値段分、劣る所はありますので、
それをどのように考えるかは人それぞれでしょう。
それでも、整備不良のヨーロッパの中古楽器よりずっと良いと思います。