印の位置2016/02/14

ちょっと古いHOHNERのボタン式アコーディオンの
ボタン位置を変更するという珍しいご依頼がありました。


ボタンは全て白で、黒鍵相当の音の部分の色分けはありません。
表面に凹凸のある印の付いたボタンの位置ですが..
何故か C#,G#,A に付いています。
ボタン配列は一般的なイタリア配列です。
一般的にはCとFに凹凸のあるボタンが付いています。
という訳で、使いにくいので変更して欲しいという事です。



ボタンの取り外しをしてみましたが異様に硬く、
強く回すとボタン表面と下部のネジが取れしまいました。
通常、ボタンはネジ込みになっていて回せば緩む構造です。
この楽器は、ネジ部分が接着してあるような感じで
硬くて回りません。
無理に回すとこのようにボタンとネジが分離してしまいます。



幾つかのボタンは回して抜く事ができました。
一般的なボタンのネジと違ってネジ山がビスの様な切り方で
先端もビスのように平らで尖っていません。



更に作業を進めるとボタンの下の木の土台ごと
外れてしまう場合がありました。
外れた木製の土台は下部に溝があり、そこにバルブへと繋がる
金属のアームが挟まっています。
この例では弱い溝部分から木が割れています。
よく見るとボタンのネジは綺麗な断面で縦にカットされています。
ここまで来てやっと分かったのは、木の土台にボタンを
ネジ留めした後に土台の下に溝を彫ってアームに接着している
という事です。
つまり、ネジは回る筈はなく、最初から分解する事を想定
していない構造です。
こういうのは修理する時はホントに困ります。



なんとか印の位置をCとFに変更しました。
でも、元々3箇所に付いていたので凹凸ボタンが余ります。
仕方が無いので一番上の段に交互に入れました。
イタリアと同じ仕様のボタンではないので別の物を混ぜると
色や形状が変わってしまいますので。



ベースのバンドが古くなってヒビ割れているので交換しました。



この楽器はとても厚みがあって重い楽器なのですが、
中型楽器に使われる程度の大きさのバンドが付いています。
新しい物はイタリア製の一番太い物にします。



HOHNERのベースのバンドは薄いので貫通する穴も細いです。
また、調整ネジの規格はイタリアと違います。
イタリアの部品は厚みがあるので交換する時は、
いつもここで苦労します。
ネジは移植するしかありません。


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