バンドネオン修理 左側2021/06/05

バンドネオンの修理を行っています。
昨日までに右手側のリードの修理を完了しました。


左手側を分解しました。
ボタンやバルブに問題はありませんが、板の部分に割れと修理した痕があります。
この部分が損傷している例は多いです。
できればもう少し綺麗に修理して欲しいところです。
接着剤がはみ出て凹凸があります。
この部分は蛇腹の枠と合わさる部分なので凹凸があると空気漏れが起きます。


裏側から見ところです。
割れた部分を別の木片で補強してあります。
この部分は比較的薄い板なのでリードが大きくて重い左側の場合
調律などの操作で負担が掛かって割れるのでしょうか?
合板を使うか、もう少し板厚があれば良いと思いますが、
楽器としての音の影響があるのかも知れません。

右手側と同様、リードバルブは劣化して反りが出ています。
一番外側の列は蛇腹でリードバルブを挟み込まないように
金属製のガードが付いていますね。


左手側のリードを全て外しました。


リードの錆があります。


裏面も同様に錆があります。


まずは劣化したリードバルブを全て外しました。
これは使えないので全て新しい物に交換します。


リードの錆を落とし、リードプレート表面も磨きました。
今回はこの状態でリードが正常に発音する事を確認できたので一安心。
前回の楽器ではこの状態でも殆ど全てのリードが発音せず、
とても時間の掛かる作業を必要としました。
本来はリードの錆除去とリードプレートの表面研磨程度で
発音をしてくれることが殆どです。