酷使楽器の整備2021/09/07

プロ奏者が使う古い年代のアコーディオンの整備を承りました。
プロ故に使用頻度が高く、楽器も古い物のため、酷使状態と言えるでしょう。

まずは度々問題が出る右手のバルブの修理、調整から。
空気漏れがあり原因の大半はこの部分からと判断しました。
奏者は筋力アップに励んでいらっしゃるので楽器もそれに対応できるように
調整し直します。


次はやはり度々問題が出ている右手側のレジスターの修理、調整です。
分解清掃しつつ問題を潰して行きます。


蛇腹からの空気漏れもあります。
調べてみるt内側で破れている箇所が幾つかありました。


蛇腹内を点検していると小さな部品が幾つか挟まっています。


ひととおり蛇腹内を捜索してこれだけの部品が出てきました。
激しい使用により内部の部品が外れて落ちたものと思われます。


楽器の外観の傷みも激しいですが、前面のメーカーロゴもなくなっていました。
古い楽器からロゴを移植する事にします。


ロゴを復活させ、外観も磨いて整えました。
50年以上経つ楽器で酷使されている状態ですがアコーディオンは
それができる楽器です。
勿論、定期的な整備は必要ですが良い物は酷使する事を前提に作られています。
どんなに大きな音で演奏しても壊れませんので楽器に気遣うことなく
酷使する事が楽器にとっても良いことです。
ただ、酷使というのは雑に扱って良いという意味ではありません。
運搬などは丁寧に、酷使してよいのは演奏だけです。