コンサーティーナの調律2021/10/01

コンサーティーナの調律を承りました。
何故か今年はバンドネオンやコンサーティーナのご依頼が多いです。


ご依頼のコンサーティーナはバンドネオンを小さくしたような四角形の珍しい物です。
そして、構造も変わっていて、リードやボタン、バルブ機構が載った板が蛇腹と
4本のネジで留められており、そのネジの頭は雌ネジになっていて
その部分に外側のカバーがネジ留めされるという2段の構造になっています。
なのでリードにアクセスする為にはカバーのネジ4本、その下のネジ4本を
外す必要があります。

調律の最終段階では楽器を通常演奏するような状態で音程を確認します。
その時点でズレがあれば再度、ネジを8本外して分解して調律を行い、
もう一度組み立てて音程を確認するというとても大変な作業になります。
バンドネオンやコンサーティーナでは分解時と組み立て時で音程にズレが出るので
きちんと調律する為にはこのような作業が必須になりますが
分解に手間が掛かる楽器の場合はとても大変になります。
その点、バンドネオンは工具無して4本のネジを抜くだけなので楽ですが
1音につき2本のリードが同時に鳴るのでその部分はコンサーティーナよりも
相当大変な調律になります。


調律の前にはリードの周囲の修理、調整を行います。
殆どのコンサーティーナがそうですが、発音の悪い箇所があります。
リードの調整が悪い場合が多いですが、この楽器では別な原因もありました。
一つはリードバルブの根元に貼ってある丸いラベルです。
短いリードではリードバルブが開閉する根元にラベルが掛かっており
開閉の妨げになっています。(赤矢印)
もう一つはリードバルブがリード全長に対して長過ぎる箇所がある事です。(黄矢印)
加えて、定番のリードの調整不良があります。


表から見えていないリードの裏面のリードバルブでも長過ぎる箇所があるので
全てのリードは一旦外して裏面を確認する必要があります。
丸いラベルは裏面にはありませんでした。


右手側の長過ぎるリードバルブを切った残骸です。
同じことを左手側でも行います。

これらのリード周辺の調整、リードの調整を行った場合、
必ず調律が変わってしまうのでマネして調整しないようにしてください。
これらの作業は最後に調律を行う前提でやっています。
そして、調律は先に書いたとおり、蓋を閉じるとズレるのでとても大変な作業となります。
不要な蛇腹を使って調律台を作って調律しても組み立て後にはズレます。
アコーディオンでもそのような現象はありますがコンサーティーナや
バンドネオンほど酷く動くことは少ないです。

10月2021/10/02

そういえば10月になりました。

金山駅の東出口を左出てすぐの所にある金山橋交差点です。
駅から当店に行く場合に必ず横断する場所ですが、
横断歩道の先に新しいホテルが出来て今日からオープンらしいです。


2020年1月はこのような状態でしたので、だいぶ風景が変わりました。

monte accordionへの道(金山駅から)2021/10/02

金山駅(東出口)からmonte accordionまでの道案内を更新しました。
新しいビルや店ができて以前と変化した部分があります。
駅構内からの案内は下記リンク先をご覧ください。


金山駅の東出口を出たら歩道を左に進みます。
東出口を左に出てすぐの所にスイーツ店があり、その先にカラオケ店、
ゲームセンターがあります。
以前チケットショップだった所はスイーツ店に変わりました。


ゲームセンター(SEGA)の正面に大きな交差点、金山橋があります。
この交差点をグレーのビル、Comfort HOTELの方へ横断歩道を渡って行きます。
以前はHOTELがありませんでした。


交差点を横断したらホテル右側の緩い下り坂の歩道を進みます。
間違ってホテルの左の歩道を進まないようにしてください。
ホテルの1階にはコンビニが入っています。


歩道を進むと横断歩道が出てきて左へ入る細い道があるのでそちらへ分岐します。
ここは一方通行になるので車は入れません。
分岐の所には4階建てのビルがあり、一番上に「かなやま歯科」の看板が出ています。
この分岐を必ず左に入ってください。 直進するとイオン熱田の方に行きます。


左へ分岐するとすぐの所に「e style」という美容院があります。


美容院に続いてイタリアン居酒屋のThank youがあります。(何故かGrazieではない)


そのまま道を進むと右手に「すえひろ屋」という古い喫茶店が出てきます。
その少し先には「ニューコルシカ」という喫茶店があります。
どちらもランチ580円!
遠くの先に球形のガスタンクの頭が見えてきます。


更に進むと新しくできた かなやま歯科があります。
以前は「はながき」と書かれたビルでした。
道の先に紅白の鉄塔が見えてきます。


更に進むとフジカラーの看板のある古い写真店(今はやっていない)があり
球形が2つある特徴的な街路灯があります。
これは以前商店街だった頃のなごりです。
更に先を見るとピンク色の看板があるレンガ色の3階建ての建物があります。
ピンクの看板には「なみよせ鍼灸接骨院」と書いてあります。


なみよせ鍼灸接骨院まで来たら交差点を左へ曲がります。
直進すると釣具店、そば屋がありますがそちらは間違いなので左へ曲がってください。


なみよせ鍼灸接骨院の隣にmonte accordionがあります。
電柱で見えづらいですが小さな看板が出ています。
駅からここまでゆっくり歩いて10分程度、距離は370メートルです。
お疲れ様でした。
道が分からなくなった場合は 052-618-8914 までご連絡ください。

ボディー破損の修理2021/10/04

プロアコーディオン奏者の方から修理を承りました。
当初の修理は左手を通すバンドがきつく、緩めるとバンドが外れそうなので調整をする
という簡単なものでしたが、点検をしている時に重大な問題が見つかりました。


楽器本体の鍵盤の付け根部分のボディーにヒビが入っています。
楽器を演奏する状態で上の方ですが反対側の方は大丈夫でした。


鍵盤の付け根付近が割れてしまうと鍵盤の周囲のフレームが鍵盤のバネに
押されることで歪みが出て、結果として鍵盤が深くなります。
一見、鍵盤が高くなったように見えますが鍵盤ではなくて下の部分が下がったのです。
今回は片側だけが割れているので低音部の方にかけて鍵盤が深くなっています。


低音部の鍵盤高さは9.5ミリ程度です。
一般的なアコーディオンの鍵盤高さは5~6ミリですので大幅に深くなっています。


高音部は5.5ミリなので適正値です。
ちなみに、両側が割れると全体にもっと大きく深くなるので異常に気付く場合が多いです。
また空気漏れの症状が出てくる場合も多いです。


鍵盤を全て外して修理を行いました。
この部分はアコーディオンで一番弱い部分なので運搬中などに
どこかへ当てると割れることがあります。
今までにもこのような修理は何件か経験していて、今年は多くてこれで3件目です。

この部分の破損は問題が大きいので早く発見して修理する事が重要です。
楽器の取り扱いを慎重にする事も忘れないようにしましょう。
重さのある物は軽く当てただけでもエネルギーを沢山持っているので影響が大きいです。
因みに、この楽器は他人が楽器を移動させている時に落下させた事が破損の
原因の可能性が高いという事でした。
親切心で楽器を片付けてくれる場合などありますが、奏者でない方は
扱いに慣れていませんので自分の楽器は極力他人に触らせないような工夫が要ります。

HOHNER2021/10/12

ドイツHOHNERのボタン式アコーディオンの調律を承りました。
少し古いモデルで40年程度は経過しているでしょうか。


左手を通すベースストラップの傷みが激しいので交換する事になりました。
ボタン式アコーディオンはコンパクトな物が多いのでベース周りの隙間が狭く
ストラップを留めているネジの脱着が困難な場合が多いです。


HOHNERの一部のモデルではベースメカニックが2本のネジを外すだけで
2分割に取り外せるのでストラップの交換も楽にできます。
HOHNERの、特に古いモデルでは独自の機構を持った楽器が多いです。
中国製の楽器では一つの塊でベースメカニックが外せる物が多いです。
イタリア製の物はボタンを一つずつ抜いて分解して行く必要がありますが
その分、ボタンを押した時の感触は素晴らしく、耐久性も優れています。


こちらは右手側の内部ですが、リードは取り外してあります。
音色切り替えの機構も独自の構造という事がすぐに分かります。
殆どの楽器では切り替えのための機構は楽器の外にありますが
この楽器では内部にあり、外にあるのはスイッチのみです。


スイッチに繋がる軸が本体を貫通しており、空気が漏れにくいように
フェルトのブッシュが付けてあります。
このための貫通孔がこの楽器の場合7個もあるので空気漏れが心配です。
スイッチ動作で軸が穴に対して並行に大きく動くので摩擦抵抗も大きそうです。
イタリアの楽器ならMMLの場合、貫通孔は3つですし、
穴に対して軸は僅かな回転運動なので摩擦も少ないです。
このようなスイッチごとに貫通孔がある構造は今の楽器では見られません。


HOHNERはチャレンジングなメーカーで、こんな形状の物を作った事もあったようです。
見た目には面白いですが弾き辛そうです。


さらには、こんな形状の物もありました。
実はこれ、今になってこのフォルムが復活しています。
HOHNERの小型楽器で、どちらかというと子供さん向けの物のようです。
輸入代理店のモリダイラ楽器のサイトで見られます。

一度は消えた形状がなぜ復活したのか分かりませんが
手が短い子供さんが楽に弾けるようにという意図のデザインのようです。

他にもHOHNERは全て金属ボディーの楽器や特殊な鍵盤支持機構の物、
レバー操作で蛇腹をロックする機構、ピンを用いないで本体と蛇腹を繋ぐ構造等々、
色々な事を試してきた経緯がありますが今も続いている構造は少ないです。
アコーディオンが発明されて今に至るまで色々な試行がなされ、淘汰されて
今の構造に落ち着いてきていますので現在主流となっている機構、構造の物が
最良と思っています。


お預かりしている楽器は年代のわりにリードや、
劣化が問題になるロウ留めの状態は良好です。
それでも部分的にリードの錆が出ていました。
リードに貼ってある薄い革や樹脂製のリードバルブは殆ど問題ありません。
今では普通になっているリードバルブの樹脂化もHOHNERは早くから行っていました。
この楽器はその恩恵でリードバルブの劣化による問題は殆どありません。
同じ様に革以外の素材でリードバルブを試して後に劣化で問題が出ている
メーカーもありますが、これは年月が経たないと答えが出ないので難しいです。


ベースリードの方にも少し錆が出ています。
私の経験による知見ですが、HOHNERなどドイツ周辺のアコーディオンでは
イタリア製のリードよりも錆が出ている確率が高い場合が多いです。
近年の物は分かりませんが、とても古くない楽器で錆が出ている事もあります。
勿論、使用状況、保管状況の影響もあると思いますが
合金の組成による影響もあると考えています。
リードに錆がある場合、調律が安定しないので除去後に調律を行う必要があります。


右手ボタンの裏側の蓋を開けましたが、大きな埃の塊が出てきました。
やはり年月分のものが蓄積しています。
当店では調律を行う場合、楽器全体の清掃も行っています。
定期的な調律で音以外の部分も良い状態を保つことができます。