コンサーティーナもう1つ2021/11/24

コンサーティーナの修理が続きます。
なんだかコンサーティーナの店みたいになってきました。


イタリア製コンサーティーナの中古を手に入れた方からのご依頼で、
症状は発音の不良、調律の狂いです。
発音の不良箇所が多く、調律の狂いも大きいですが、古い楽器ではないので
製造時から存在する不良と思います。
普及品なのでアコーディオン用の標準リードで、楽器に直にロウ留めされています。
使う人にはあまり関係ないのですが、このタイプは整備性が悪いのが難点です。
またロウ留めリードは一般的なコンサーティーナより幾分、音がマイルドになるでしょう。


リードを留めているロウがきちんと施工できていない箇所が幾つもあります。
音は出ますが無駄な空気が消費されます。


こちらもロウがまわっていません。


ロウ留めの不良による隙間もありますが、
木枠の合わせ目にも隙間が幾つかあります。


ロウ留めの不良箇所は黄色矢印部分です。
緑の矢印はリードの隙間が大き過ぎて発音が悪いです。
赤のリードは短くて先端に隙間が多く発音が悪いです。
アコーディオンリードでも精度が低い製品やグレードがあります。
このような細かい不具合が幾つもありますが、
だからと言って演奏できない程でもなく、音は全て鳴ります。
一度、きちんと整備された楽器を使った経験がある方は我慢できないかも知れません。
初めての方はそれが不良かどうか判断できないかも知れません。


手前から2番目のリードバルブに折り癖が付いて少し持ち上がっています。
この状態だと弱い音で雑音が出ます。
こんな感じの細かい不具合が幾つもありますが、確認できた部分は全て修正します。
その上で全体の調律を行います。


リードがロウ留めで木枠が直付けのため、リードの裏面に問題がある場合、
リードを外す必要があります。
問題を修理した後にロウを溶融して接着を行います。
一般的なコンサーティーナは簡単にリードが外せる場合が多いので
作業は幾分簡単に済みます。


100%イタリア製というだけではなく、性能100%の状態で出荷して欲しいものです。
そして、販売する業者も100%に近づけて欲しいです。
人が行う事ですので100%は難しいですが、それを目指す事は必要と思います。

あと1ヵ月2021/11/24

あと1ヶ月でクリスマス。
1年があっという間に過ぎて行く感じがします。

という訳で、クリスマスのディスプレイを出しました。


小鳥のクリスマスソングでお出迎えいたします。