中国製アコーディオンの整備2022/04/30

販売する中国製アコーディオン(新品)の整備を行っています。
当店で扱っているのはGoldencupというメーカーの物ですが
日本でもOEMで別の名前で販売されている物です。

中国製の物は低価格なので取り敢えずアコーディオンをやってみたい
という方には良い物です。
ですが製品には問題が多いので販売前の整備、調整、調律は必須です。



リードの調整、各部の点検を行う為にリードの木枠を外しました。
この時点で不具合がすぐに見つかりました。



リードの木枠の下にある発泡ゴムのシートの端の部分がめくれています。
このままではリードを通る空気の一部が隙間から抜けてしまうので
発音が弱くなったり、蛇腹の動きが大きくなる問題が出ます。
先日、ブログに書いた内部空気漏れになりますが、
楽器の外に出る空気漏れではないので使っていて気付く事は難しいです。
リードの木枠を外して点検しないとこの不具合に気付く事はできません。




という訳で修理しました。
これは修理しなくても音は出ます。
ですが不具合である事は確かです。
不具合はあるけど使えるというのはアコーディオンではよくある事です。
不具合に気付かず使っている場合もあるでしょう。
使えるけど問題がある、というのは中国製では普通にある事です。
事の大小、頻度の違いはありますがイタリア製の物も同様です。
アコーディオンとはそういう物です。



鍵盤の動作、スイッチの動作、リードの木枠の固定、ベースの機構など
各部の点検と修正を行い、全てのリードの点検、調整を行った後に
全体の調律を行います。

上の画像は取り外したリードですが
見えているリードの隙間が不揃いになっています。
このような状態では鳴り始めに差が出ます。
調整する事で弱い音が出やすくなりますがこの調整で調律が変わるので
調律が必須となります。
元より調律が合っていないのでどのみち必要ですが..

中国製アコーディオンの整備を行うと最低でも1週間掛かります。
ひと月に4、5台が限界です。
1年なら50台程度でしょう。
実際にはそれだけを行える訳ではないので不可能です。
それだけの時間が掛かるので中国製アコーディオンを
販売するというビジネスなら1台20万円以上にしないと成り立たないでしょう。
でも、実際にはその金額では売れないでしょうし、常に需要がないでしょう。
それもまたアコーディオンという物です。


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