蛇腹交換2023/06/21

古い楽器の蛇腹を新しい物に交換する為、
イタリアのメーカーへ発注していた蛇腹が届きました。


届いた蛇腹です。
表は黒で、中は赤、というよくある色ですが、
前面にはひし形の模様(白と金の2重)が入っており、金具は金です。


交換する楽器の蛇腹の上に重ねてみると、寸法通りにできているようです。
これが確認できるまでは不安でした。
楽器はプロ奏者の物で、60年は経過しているEXCELSIOR Continentalです。


交換で外す方の蛇腹です。
外も中も黒の落ち着いた色ですが、経年でグレー寄りになっています。
この画像では分かりにくいですが、かなりの傷みが出ています。


古い蛇腹の角部分です。
経年と酷使により破れています。
こうなってくると修理ではなく、新調、交換になります。
大体50年を過ぎると蛇腹の状態が悪くなってきます。
使用状況や保管状況にもよりますが。


蛇腹の内側ですが、蛇腹が凹んで横向きに折り目が付いている部分を補強する為に
樹脂や金属の板を貼っていました。
蛇腹を打楽器のように叩く事が影響しています。
プロの奏者ですので、使用頻度も高く、蛇腹も一杯に使うので傷みも激しいです。
今までは都度、補修で対応していましたが限界がきました。


蛇腹は簡単には交換できません。
木枠はオリジナルを使うので、古い蛇腹と分離しなければなりませんが、
接着剤でガッチリと付いています。
新しい蛇腹が届いたのは昨日の夕方で、取り急ぎ届いた事を連絡すると、
明日のライブに間に合いますか?とのお返事。
楽器は以前からお預かりしていましたが、今日は夜に名古屋でライブがあるのです。
私も以前から予約していたので行く予定にしていましたが、
まさか、前日の夕方に蛇腹が届くとは..

蛇腹は接着が必要なので、翌日に使うなら前日までに接着作業に入る必要があります。
という訳で、慌てて古い蛇腹から木枠を外し、綺麗に整えてから新しい蛇腹を
接着して帰宅しました。


そして本日、一晩経過しましたが、なんとか接着できました。


楽器に取り付けたところです。
以前とかなりイメージが変わりましたが大丈夫でしょうか..と不安になります。


とても古い楽器ですので、蛇腹の空気漏れがなくなると次に弱い所が目立ってきます。
バルブからの空気漏れも以前から何度も補修してきましたが、
蛇腹が新しくなり、内圧が高くなったので、バルブからの漏れが無視できなくなります。
なのでバルブ周りの修理、調整が必要になりました。
チャンバーのある楽器なので、作業は大変です。
夕方までに完了してお渡しする必要があります。


そして.....ライブ終了です。
楽器の持ち主は都丸智栄さんでした。
無事に楽器をお渡しして、ライブも無事に完了しました。
とても楽しいライブでしたが、修理した楽器の事が気になってしまいました。
結果、見た目も含めて全く心配ありませんでした。
とりあえず、ひと安心..