円頓寺 秋のパリ祭 20172017/10/20




今年も円頓寺商店街にて、秋のパリ祭が開催されます。
円頓寺パリ祭では、商店街にフランスにちなんだ雑貨、飲食の店舗が
多数出店し、期間中はゲスト奏者によるライブもあります。
今年で5回目を迎えるイベントですが、当店も初回から出店させていただいており、
今回も出店させていただきます。
11月11、12日の2日間、宜しければ円頓寺商店街へお越し下さい。
詳細は下記サイトでご覧いただけます。

古いScandalliの修理2016/04/16

古いイタリア製アコーディオンの修理を承りました。


Scandalli の中型アコーディオンです。
鍵盤が細いので同じ音域の楽器より小さくできています。
製造から50年程度は経過しているでしょうか。


最初に気になるのはベルトです。
楽器とは無関係ですが、ここが傷んでいると切れて楽器を落とします。
金具と接するところが一番傷みますので、この部分にひび割れが出ていたり
細くなっている時は交換時期です。
楽器を落とすと高額な出費になります。
場合によっては修理不能になる事もあります。


外観で気になるのはグリルカバーです。
何故か穴が空いていて裏から塞いで修理してあります。


グリルカバーを外すと裏からセルロイドを切った物で塞いであり、
ガムテープで貼ってあります。
セルロイドは一般には入手できませんので、これで補修されているという事は
アコーディオンの販売や修理に関わる人が行なった可能性が高いです。
ですが、ガムテープで貼るというのはプロの仕事ではありません。
アコーディオンの修理で、粘着テープ類(両面テープ含む)を使う箇所はありません。
そのような補修を行なう人は信用してはいけません。
また、穴の無い板で塞ぐと音にも影響が出ます。


楽器を開けました。
蛇腹と本体の合わせ目にあるパッキンですが、革製の古い物が入っています。
交換時期ですが、よく見ると角部分の内側に別の革が貼って補修してあります。
やはり、誰かの手によって補修された楽器という事でしょう。
でも、この補修は全く役にたっていません。


リードです。
リードを留めているロウが劣化して脆くなっています。
上の画像の右下のリード周りのロウは剥がれて取れています。
40年以上経過したアコーディオンでは起こり得る事です。
この状態ではまともな音は出ません。
また、修理費用もかなり高額になります。
古いアコーディオンは音が全部鳴るからと言って、
必ずしも楽器として使える物という訳ではありません。
中古を購入する場合、この事をよく理解している必要があります。


ベースリードです。
こちらもリードを留めているロウが悪くなっています。
最高音のリード列は本体に直付けされています。
直付けのリードがある楽器はメンテナンスが大変です。
手前に見える機構は古い楽器で偶に見られる、音の切り替え方法です。
スイッチが1個で、押すと交互に音が変わるという物ですが、
確実に切り替わらない時があったり、
2種の状態のどちらになっているかが分からないなどの欠点があるので
現在は採用している楽器は無いと思います。


古い楽器にありがちなもう一つの大きな問題も出ています。
リードの錆です。
錆が出ると調律が大きく変わります。
錆が付いたままで調律してもすぐに変化するので調律が無駄になります。
調律が安定しない楽器は楽器として使えません。
修理にはリードを全て外して磨く必要があり、高額な費用が掛かります。

リードは錆びていても音は鳴ります。
音が全部鳴るというだけで楽器として使える訳ではありません。
リードの錆は必ずしも古い楽器だけで起きる訳ではないという点も注意が必要です。
この楽器は修復可能ですが、かなりの期間と費用が掛かるのは確実です。


印の位置2016/02/14

ちょっと古いHOHNERのボタン式アコーディオンの
ボタン位置を変更するという珍しいご依頼がありました。


ボタンは全て白で、黒鍵相当の音の部分の色分けはありません。
表面に凹凸のある印の付いたボタンの位置ですが..
何故か C#,G#,A に付いています。
ボタン配列は一般的なイタリア配列です。
一般的にはCとFに凹凸のあるボタンが付いています。
という訳で、使いにくいので変更して欲しいという事です。



ボタンの取り外しをしてみましたが異様に硬く、
強く回すとボタン表面と下部のネジが取れしまいました。
通常、ボタンはネジ込みになっていて回せば緩む構造です。
この楽器は、ネジ部分が接着してあるような感じで
硬くて回りません。
無理に回すとこのようにボタンとネジが分離してしまいます。



幾つかのボタンは回して抜く事ができました。
一般的なボタンのネジと違ってネジ山がビスの様な切り方で
先端もビスのように平らで尖っていません。



更に作業を進めるとボタンの下の木の土台ごと
外れてしまう場合がありました。
外れた木製の土台は下部に溝があり、そこにバルブへと繋がる
金属のアームが挟まっています。
この例では弱い溝部分から木が割れています。
よく見るとボタンのネジは綺麗な断面で縦にカットされています。
ここまで来てやっと分かったのは、木の土台にボタンを
ネジ留めした後に土台の下に溝を彫ってアームに接着している
という事です。
つまり、ネジは回る筈はなく、最初から分解する事を想定
していない構造です。
こういうのは修理する時はホントに困ります。



なんとか印の位置をCとFに変更しました。
でも、元々3箇所に付いていたので凹凸ボタンが余ります。
仕方が無いので一番上の段に交互に入れました。
イタリアと同じ仕様のボタンではないので別の物を混ぜると
色や形状が変わってしまいますので。



ベースのバンドが古くなってヒビ割れているので交換しました。



この楽器はとても厚みがあって重い楽器なのですが、
中型楽器に使われる程度の大きさのバンドが付いています。
新しい物はイタリア製の一番太い物にします。



HOHNERのベースのバンドは薄いので貫通する穴も細いです。
また、調整ネジの規格はイタリアと違います。
イタリアの部品は厚みがあるので交換する時は、
いつもここで苦労します。
ネジは移植するしかありません。


中国製アコーディオン62016/02/13

贈り物用として自分で購入した中国製の小さなアコーディオンの
整備をしています。
機能的な部分の整備は完了しました。



調律が完了しました。
見た目は何も変わっていませんが..



グリルカバーに張ってある網が医療用のガーゼみたいな感じなので
もうちょっと見栄えのする物に交換します。



一般的なアコーディオンに使うような網に交換しました。
これで外観も少し変化が出ました。
左手側の網は交換しませんでしたが、
貼り方が雑だったので張り直しをしました。



付属のベルトは大人が使える位の長さがあります。
調整範囲が狭く、小さな子供には適合しませんので、
少し短く詰め、調整範囲を拡大する為の穴を多数空けました。



これで一通りの整備が完了しました。
楽器の背面にこのステッカーを貼って全て完了。
当店での整備実施の証です。
低価格な玩具としてのアコーディオンですが、
整備をしてなんとか使える物になりました。
修正が必要な項目が多かったので意外と時間が掛かりました。
後はプレゼントする日を待つのみです。



追記
当店で講師をしているアンジェロさんの
娘さんが3月、無事に誕生しました。
整備した小型アコーディオンを贈らせていただきましたが、
すぐに写真が送られてきました。
かなり小さなアコーディオンですが、使えるには
まだ数年掛かりそうですね..

中国製アコーディオン52016/02/09

自分で購入した中国製の小さなアコーディオンの
整備をしています。


ベースリードと本体が繋がる部分ですが、
元々付いていたガスケットは発泡ポリエチレンのような感じで
硬質なので空気漏れがあると思われます。
また貼ってある位置もズレていたので剥がしてしまいました。



先日、リードの整備を完了したベースリードの枠ですが、
裏面に柔らかい発砲ゴムを貼り、本体と合わせる部分の
ガスケットとしました。
丸い穴が本体側と完全に一致する必要は無く、有効に空気の
出入りができれば良いので境界のみ仕切ることに。
こんな風に貼る方が位置決め精度が悪くても問題にならないので
安い楽器にはピッタリの方法と思いますが..



柔らかい発泡ゴムを用いても本体とベースリードの隙間から
空気が漏れているのでベースリード枠の中央2箇所に小さな
Lアングルを取り付けて本体側にネジ留めしました。
平面的な枠で素材も柔らかいので2箇所のネジ留めでは
無理があるという事です。
上下左右、4箇所で押し付ける事で空気漏れは解決です。
蛇腹と枠側面の隙間が狭いので苦労しました。



もう一つの空気漏れの原因と思われる空気ボタンを外しました。
バルブに貼ってあるのはベースリードのガスケットと同じ
硬質な発砲ポリエチレンです。
しかも、バルブ本体との接着はテキトーで、簡単に剥がれました。
こちらはフェルトと皮に置き換えました。



ベースボタンですが、異様にバネが重い設定です。
大人が使っても指が痛くなる程ですので、
子供が使うには無理があります。
バネを緩める処置をしました。



右手のリードを外しました。
やはりリードバルブは使い物にならない状態です。
リードの精度も悪いので調整が必要です。



樹脂の枠からリードを外してリードの調整、
リードバルブの張り替えを行ないます。
普通のアコーディオンだと大変な作業になりますが、
17音、Mのみという事で大した事はありません。



右手リードの調整が終わりました。



ここまでで必要な補修は終わりました。
小さい楽器ですが、取り外した部品は結構あります。
後は調律を行うだけです。