古いHOHNERの修理22022/04/09

50年以上前のHOHNERの小さなアコーディオンの修理をしています。






リードの調整が悪い箇所が幾つもありますが、かなり酷いところもあります。
鳴り始めがかなり遅いところも。
リードのロウ留めのロウの劣化も進んでいて、結局、全てのリードで補修しました。



音の切り替えスイッチがとても重くなっており、切り替え自体にも問題があります。
シャッターが全開になっていません。
リードの調整、ロウ留めの補修、音の切り替えの問題の修理など
発音に関わる部分を全て修理した後に調律を行います。



何故か蛇腹の片面は新しいパッキンシールに交換されていましたが、
貼り方に問題があり、正しい位置に来ていません。
右手の鍵盤バルブのズレからの空気漏れもありますが
蛇腹と本体の合わせ目からの空気漏れもあると思います。
両面のパッキン交換で空気漏れは改善するでしょう。



ベースの手を通すバンドを交換する為にベースの分解をしましたが
蓋の内側には黒いガムテープが貼ってあります。
しかも剥がれかけています。
剥がれた淵が直下のベースメカニックと干渉する可能性が大きいので全て剥がしました。
恐らく、右手とベースの音量バランスを考えてベースの蓋にある穴を塞いだのだと思いますが、使用者は知らない事実でしょう。
以前のオーナーが行ったものと思います。
アコーディオンの左右の音のバランスは奏者には案外正しく判断できません。
誰かに演奏してもらって前から音を聴くか、誰かに前で聴いてもらって判断する事が必要です。