高級中古入荷2022/05/30

イタリア、有名メーカーの高級アコーディオンの中古が3台入荷しました。
共通する仕様は、41鍵盤、HMML、ダブルチャンバー、120ベースです。
いずれも新品価格は100万円以上する高級品です。



日本で古くから有名なEXCELSIORの最上位機種、コンチネンタルの中古です。
現在はPIGINIで生産されていますが、この中古はオリジナルの物です。
2008年の新品価格は118万円で、現在は125万円です。
この楽器は20~25年程度の物と思われます。



EXCELSIORは殆どの機種が共通するデザインですが
Continentalだけは独自の落ち着いたデザインです。
鍵盤は象牙風の模様が入っています。



ベースリードは一般的には5列リードですが6列入っているのが特徴です。
ベースのスイッチは8個ありますが個性的なセッティングになっていて
使いにくい場合もあります。(詳細は下記サイトを参照ください)

この中古も同じセッティングですが組み替えする事も可能です。
(別途費用は掛かります)



重さの実測値は12.6kgです。
コンチネンタルはベースが6列リードであったり、グリルカバー内に
内カバーが付いていたりするので当時の平均値より少し重いです。
慣れれば問題になる程ではありません。

カタログなどに表記してある重さは実際の重さを反映していないので
表記を信じて楽器を選ぶと裏切られます。
重さを重要視する方は実測した値だけが真実と思うようにしてください。



イタリアの大メーカー、PIGINIの高級機、Super Kingです。
イタリアの高級機は名前にSuperが付く物が多いです。
因みに、イタリアではスーパーではなく、スーペルと読みます。
他にも、Dallape Super Maestroや、Paolo Soprani Super Paolo、
Scandalli SuperVI、Cooperfisa Super Cesare...等々

PIGINI スーペルキングは現在の新品価格が140万円もする高級機です。
2007年の価格は1488000円でした。(今より高い!)
この中古は20~30年経過した物と思われます。



グリルカバーは格子状の模様となっていますが、
交点の部分に黄色のラインストーンが入っています。
この頃のSuper Kingはこれが標準仕様だったのか、
この楽器が特別仕様なのかは不明ですが、
現在の標準のモデルにはラインストーンが付いていません。



蛇腹の中は金色で広げると金屏風のようです。
蛇腹の角の金具も金メッキがしてあります。
ベースのスイッチの両側にSuperとKingの文字が入っていますが
この部分にもラインストーンの装飾が入っています。



この楽器には手のひらで押すパームスイッチがありませんが
代わりに顎スイッチが2つ付いています。
使い慣れるととても便利ですが、下を向いて鍵盤を見ながら演奏すると
知らないうちに押してしまう人もいます。
不要なら機能停止する改造をする事も可能です。



Super Kingの最大の特徴は重さです。
ダブルチャンバー、120ベースの楽器とは思えない10.4kg!
カタログ値で仕様として軽量に書いてある機種はありますが
実際に10kg台の楽器はまずないと思います。
一般的な41鍵盤、チャンバーのある楽器は12kg前後になります。
41鍵盤、チャンバーの楽器が欲しいけど、
重さが厳しい..という方にはとても良い選択となるでしょう。



こちらはイタリアのDallapeというメーカーのトップモデル、Super Maestroです。
日本ではトンボ楽器が輸入販売していました。
2009年の新品価格は170万円という超高級機です。
この中古は20~30年経過した物と思われます。

トンボ楽器は「ダラッペ」と表記していましたが、イタリアでは「ダッラペ」です。
日本人に馴染みやすい発音に変えたのだと思います。
私の生まれ育った岡崎では「でしょ?」は「だらー?」という方言ですが
「XXっぺ」というのは東北の方言で、合わせてダラッペ?みたいな感じで、
アコーディオンを始めた頃、イタリアなのに日本っぽい..と思っていました。
後にダッラペと知り、なるほどと思いました。

Dallapeも既にメーカーが無くなっており、ブランドを引き継ぐメーカーもなく、
中古以外に入手する方法がありません。
北イタリアという他のメーカーとは違った系統の良い楽器でした。
当店で講師をしているアンジェロさんはDallapeを愛用していましたが
新しく入手できなくなったので代わりになるクオリティーを持つメーカーとして
Cooperfisaを愛用しています。



EXCELSIORコンチネンタルと少し似たグリルカバーデザインに
ラインストーンが多数埋め込まれていて高級感があります。
押しやすい大きなレジスタースイッチが特徴です。



ベース部分は特に変わった特徴はありませんが操作感は極上です。
現在のベースボタンとコードボタンを5度で配置し
目視できない左手だけで簡単に伴奏ができるStradella bass systemの名称は
Dallapeが創業した場所の地名、Stradella(ストラデッラ)に由来します。



少し以前の超高級機という事で、さぞかし重いのでは?と思いますが
実測で11.6kgと、近年の同じクラスと同じか少し軽いという驚きの結果です。
このクラスとしては軽量ですが柔らかで強い音の出るダッラペは
探してでも購入すべき良い楽器です。

今日ご紹介した3機種共に中の状態も良く、まだまだ現役で使えます。
販売前の整備、調律を行い、1年間の保障と
その後の修理、調律割り引きが付帯します。
未整備状態ですが、ご来店いただければ全て試すことが可能です。