修理見積り ― 2014/10/28
古いアコーディオンの修理をしたいとの事で楽器を送っていただきました。
実際の修理にかかる前に、点検と見積りをします。

楽器は50年程度経過したと思われるEXCELSIOR 911 です。
チャンバーの無いモデルでは最上級のモデルで、お使いの方も多いと思います。
この楽器は古いですが外観はそんなに悪くありません。

最も問題となっている不具合は、ベースの音が出たままという事で、
最初にベースの底板を開けました。
蓋の裏には赤い粉が落ちています。
これは嫌な予感がします..

ベースボタンの付け根のところですが、虫の抜け殻があります。
これは衣類などに穴を空ける虫のものです。
嫌な予感は更に増します。

ベースメカニックに何か挟まっているのを見つけました。

薄い紙みたいな物です。

取り出してみると、それはバルブに貼ってある皮でした。

これは裏面。
バルブ(木)に赤いフェルトが貼ってあり、その上に皮が貼ってある訳ですが、
害虫によりフェルト部分が食われて剥がれたものと思われます。
これは、ベースメカニックを全て取り出して、バルブのフェルトと皮を
全て交換するしかありません。
予感的中..
ベースの底板の裏にあった赤い粉は、食害によるフェルトの残骸や虫のフンです。
古いアコーディオンではよくある事ですが、オークションなどで購入した楽器や、
譲ってもらった古い楽器などは演奏すると蛇腹操作で
虫のフン等が飛散する事もあります。

その他の箇所の点検です。
ベースのベルトは切れていませんが硬くなっていて、手の甲が痛いです。
これは交換時期です。

右手の鍵盤のバルブもフェルトに虫食いの穴が空いています。

バルブの奥の方には幼虫の抜け殻と虫のフン、埃などが堆積しています。

本体と蛇腹の間にある皮製のパッキンも交換時期です。

リードに貼り付けてある薄い皮でできたリードバルブは反りが出ています。

リードバルブを良く見るとカビが付いています。
仮にカビが無くても経年による反りと硬化がありますので交換時期です。
蛇腹の内側や皮の部分にはカビが出ている場合がありますので、
放置してある古い楽器を安易に使うとカビの胞子が飛散します。

ベースのリードを外したところですが、音色切り替えに問題があり、
シャッターが半分開いたところで固着しています。
恐らく、アルミニウムの錆が原因と思います。

ベースリードも皮は反りと硬化とカビが出ています。
この楽器は最低限、ベースバルブの修理、リードバルブの交換、
ベースの音色切り替え機構の修理、調律が必要という事が分かりました。
それ以外にも、できれば修理、交換したい箇所は幾つもあります。
アコーディオンに限らずですが、50年近く経過した物は、
そのまま問題なく使える場合は少ないですし、修理に時間と費用が掛かります。
今回、見積りの段階で修理をしない事になりました。
EXCELSIOR911は現在でも作られている高級機ですので、修理費をかけて
再生する価値はある楽器と思いますが、それなりの金額になりますので、
修理しないという選択もあると思います。
当店では修理の為の点検と見積りは無償で行っております。
(送料はご負担となります)
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