高級機へのマイク取り付け2021/09/10

定価180万円もするアコーディオンへ内蔵マイクを取り付けるご依頼を頂きました。
新品で購入され届いたばかりの無傷の楽器です。


マイクの左右音量調整用に取り付けるボリュームの穴を空けています。
180万円の楽器に後戻りできない加工という事で超緊張します。
穴あけ後にボリュームが内部の部品と干渉する事が分かっても
位置を変えるには新たな穴あけが必要になりますので
慎重な事前調査が重要となります。
他の部品との干渉以外に、見た目、操作性も考慮して位置を決めます。


無事にボリュームが付きました。
この状態でも案外違和感が無いのでホッとしました。
実際にはツマミが付くのでもうちょっと見栄えが良くなります。


付いたのはボリュームだけですので、今度はマイク基盤の位置を検討します。
この場合も内部部品との干渉を避ける事以外に、音を平均的に取れる場所、
外からできるだけ見えない位置などを考える必要があります。
この楽器のようにグリルカバーの開口が大きい楽器はとても気を遣います。


マイク基盤も無事に取り付けできました。
後はベース側へのマイク設置、バッテリーの設置、各部の部品同士の結線、
シールドが入るジャックの取り付けを行います。


これはマイクの基盤、配線、バッテリーなどを含めた全ての部品です。
マイク部品の重さは体重計では測定限界以下でした。
手で持ってみてもスマホより軽く感じるので150g以下と思います。
なので楽器へ取り付けしても重量増は無視できる程度です。
その程度の重量増で右側にマイクが3つ、ベース側にマイクが1つ入り、
全体を満遍なく集音する事ができます。


因みに、この楽器のカタログでの重さは9.6kgです。
37鍵盤、HMML、ダブルチャンバー、96ベースの楽器としては信じ難い重さですが
実際測ると10.6kgでした。
誤差1kg ..
まあ、どこのメーカーも大体そんな感じです。
カタログで見た重さが軽い事を理由に楽器を選ばない事です。
軽い楽器を求めるユーザーが多い事をメーカーは知っています。


当店で在庫しているイタリア製の無垢材を用いた楽器も測ってみました。
これは41鍵盤、HMML、ダブルチャンバー、120ベースです。
実測値は11.8kgでした。
この仕様の平均的な重さでしょう。
因みにカタログ値は11.5kgなので大きく外れていません。

楽器を購入する場合、実機がある場合は重さを実測すると良いです。
受注などで実機の重さが測れない場合も同じメーカーの別の楽器の重さを測り、
カタログ表記とのズレ度合いを確認する事でメーカーの癖を把握する事ができます。
尚、当店では実測値を全ての展示楽器に表示しています。
ご希望があれば目の前で測定する事もできます。


無事にマイクの取り付けが完了しました。
見た目の影響も最小限にできたと思います。
これでステージにマイクを立てたり、楽器への取り付け作業をしないで済みます。
楽器とマイクが近いことでハウリングもしにくくなりますし、
マイク設備を楽器と共に現場まで持って行く必要もなくなります。

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