プロの楽器2022/07/29

演奏を生業としている方からアコーディオンの修理を承りました。
13kg以上ある重い楽器です。


ベースの4隅にある脚ですがネジが抜けて傾いています。
プロ奏者は楽器を持って移動する機会が多いので
重い楽器である事もあり、傷みが出やすい部分です。



脚を外してみるとネジ穴は広がっていて修復が必要な状態です。
抜けたネジが周囲に刺さった傷があります。



脚の別の位置ですが少し割れがあり、ネジを抜くと曲がっていました。
大きな力が掛かったのでしょう。



ベースストラップの傷みが激しいので交換です。
ここは消耗品なのでプロでなくても傷んできます。



ベースの蓋の開口部に張ってある網ですが、補修で重ねて張ってあるようです。
内側に出てくるとこの部分は隙間が少なく、直下にベースメカニックがあるので
干渉すると音が出たままになるなど、演奏中に大きな問題となります。
浮いている部分をきちんと貼る処置を行います。



ベースボタンが曲がっています。
一番端はぶつけて曲げやすいので要注意です。



ベースの内側に何かの部品が落ちていました。
ベースの機構に直接関係ない物のようですが、
これがバルブに挟まったり、ベースメカニックに入り込むと
演奏中のトラブルになるので除去しました。
古い楽器である事と移動が多いことで様々な小さな問題が出ていますが
この機会に分る部分は全て除去します。



ベース部分の修理を完了し、ストラップも新調しました。



右手側ですが、こちらも損傷があります。
外観だけならまだ良いですが内部機構に干渉すると問題が出るので
安心して使えるように修理します。



奏者の楽器は演奏頻度も高いので埃の堆積も凄いです。
これも吸い込むとリードを止めてしまうので綺麗に除去します。

この他、蛇腹の補修、パッキンシールの交換などを行い、
最後に調律を行ってお返しです。