中古楽器の整備2023/04/22

中古楽器として在庫していた物をご購入いただける事になり、
整備、調律を行いました。
楽器はPIERMARIAのボタン式、80ベースの物です。


中古PIERMARIAのグリルカバーを外したところです。
とても古い中古ではありませんが、沢山の埃が入って汚れています。
先日、日本国内の専門店で購入したというPIERMARIAの80ベースの
マイクの取り付けのご依頼がありましたが、その楽器と同じような汚れ具合です。
その楽器は、リードを留めているロウの劣化があるので、
マイクは付けずに最小限の整備でお返しする事になりましたが。
専門店の中古?


グリルカバー内の清掃を行いました。
新品同様とまでは行きませんが、綺麗になりました。
中古で販売するなら、この程度の清掃するのは普通と思います。


ボタンの裏面にあるパネルを外すと、こちらにも埃が堆積しています。


ボタン背面の清掃も完了しました。


続いて楽器内部の整備を行って行きます。
この楽器はフレンチタイプのボタン式の外観の特徴を持っていますが、
リードはロウ留めとなっています。
先日のマイク取り付けで届いた楽器では、リードの蝋が劣化して
ひび割れがありましたが、この楽器は15年以内の物なので
ロウの状態は全く問題ありません。
リードの錆も皆無です。
そもそも、リードのロウに劣化がある物や、リードに錆がある物は
中古品としての買い取りは、できませんという事になります。
因みに、この楽器は当店で在庫していたMaugeinのボタン式(新品)の
下取りとして入荷した物です。


ロウに劣化はなくても内部の整備は必須です。
リードの調整が不十分なので、リードの隙間の具合がバラバラです。
発音のしやすさにバラつきが出ますので、全てのリードを調整します。
これは新品楽器でも実施しています。


ベース側のリードですが、こちらも隙間の量がバラバラです。
イタリアの有名ブランドの楽器でも、輸入後はこの状態です。
この楽器は日本国内で専門店で販売された新品ですが、
内部の状態から判断して、ほぼ、輸入されたままの状態と思います。


こちらもベース側のリードですが、隙間のバラつきがあります。
右側もベース側も全体としてこんな感じです。
リードの調整をすると調律がズレますので、最後に全体の調律を行います。
どちらにしても、中古下取り品ですので、調律は必須です。
この時、MMの波の速さは使う人の好みに合わせて調整します。
調律の前には、リードの調整だけではなく、不具合や調整が必要な個所の
修理、部品交換も行います。


調律が完了したら外観の清掃、革製のベースストラップなどを新品に交換します。


最後に革のショルダーストラップを新品に交換して完成です。
この状態で試奏を行い、問題があれば修正作業を行います。
これで、楽器のセカンドステージが始まる訳ですが、
1年間の修理保証、1年後からの簡易な修理の無料実施、
修理、調律の割引きが付帯されますので、安心して使って行く事ができます。

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