名器の整備2014/04/28

中古で販売する為のアコーディオンを整備しています。
楽器は、あの名器、Settimio Soprani Artist IV です。

右手側の中です。
チャンバー側ではない方のリードは取り外してあります。
下に見えるシルバーの部分はチャンバーの囲いです。
チャンバー(小部屋)とは、その名の通り、リードの空気の出入り口に
木や金属で囲って小部屋を作り、柔らかくて丸みのある音を作る機構です。
この楽器はアルミニウムで囲ってあり、その内側には薄い特殊な布地が貼ってあります。
見えているのは表側ですが、何故かセロハンテープの跡があります。


べつに、チャンバーの外側にセロハンテープの跡があっても機能的に支障はありませんが、
やはり整備というのは見えない部分にも気を遣うべきと思いますので、
綺麗に磨きました。
鏡の様に反射して物が映る様になりました。
楽器の中で普段は見えませんがこの方がいいでしょう?

ちょっと考えると分かりますが、見えない部分の機能的に何も無い部分に、
鏡面加工してあるというのは、凄い手間の掛かった楽器という事です。
そのメーカーの意思も古くなって曇っていては気付きません。
綺麗にした事でメーカーの心を知る事ができました。
最近、この楽器の復刻が製造されるようになったらしいですが、
こういう細かい部分まで引き継がれているでしょうか?


右手側の音色切り替えスイッチ(レジスター)は、きちんと作動しましたが、
作動フィーリングが気に入らなかったのでバラバラにして掃除しています。


スイッチ操作で可動する部分です。
上下の突起部分が他の金属部品と接触して動きを伝達する仕組みですが、
磨り減って凹んでいます。
プロ奏者が使っていた楽器だけの事はあります。
この状態でも調整で問題なく機能させる事ができます。


蛇腹留めのホックを留めるところですが、異様に大きなネジで留めてあります。
ホックの直径より少し大きい皿ネジが使ってあり、太くて長いネジ部分が、
楽器の内側に大きく突き出ています。
幸い、中の部品に干渉はしていません。
恐らく、頻繁な使用でネジが木のボディーの穴を大きくしてしまい、
ひと回り大きなサイズのネジに交換して、またネジ穴がダメになって..
という事を繰り返したら、こんなになったという事でしょう。
さすがにこれではマズイので、穴の修復をして適正なネジに交換する必要があります。

成長2014/04/28

3日前に店の前にある鉢植えに怪しい幼虫がいる事を書きました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2014/04/25/7423334

発見して3日ですが長さも太さも明らかに大きくなっています。
しかも、バリバリ食べています..


パンジーは鉢が見えないほど増殖しているので、
まあ、多少食べられても大丈夫でしょう。