コンサーティーナ修理2021/11/12

コンサーティーナの修理を承りました。
今年は本当にコンサーティーナのご依頼が多いです。
不具合は発音が遅れる、雑音が出る、空気漏れがある..など、
コンサーティーナで整備されずに売られている物にありがちな症状のオンパレードです。


ダイアトニックアコーディオンのリードを用いたタイプですが、
薄い革製のリードバルブが反っている箇所が幾つかあります。
リードはハンドメイドタイプのようなので良い物と思います。


リードの内側のリードバルブも反りが出ている箇所があります。
中には長過ぎて壁に当たっているものもあります。


リードの調整はできておらず、隙間はマチマチです。
不良箇所が多いので全体の調律を提案させていただきました。
発音に関わる部分を修理すると調律が変化しますし、
当店の場合、調律費用には発音に関する不具合の修理も含まれますので
その方が費用も、仕上がり具合も良い結果になります。
個別に発音の調整だけ行っても数が多ければ費用が掛かりますし、
それに伴う調律のズレは許容するか、いずれ実施する事になりますので。


コンサーティーナには珍しく両側の開口部に網というか布が張ってあります。
裏面から見ると網にウレタンが重ねて貼ってある生地で厚みもあり、
いかにも音を減衰させていそうな物でできています。


また、ウレタン面を指で押すと復元せずに指の痕が残ります。
別に低反発素材という訳ではないでしょうから、
これはウレタンの劣化が進んでいるという事でしょう。
近いうちにボロボロになって粉が飛散して悲惨な事になるので
剥がすことになりました。(ギャグではなく..洒落になりませんので...)


そして、全ての修理、調律を完了いたしました。
空気漏れはバルブを押さえているバネが弱い事が原因の殆どでした。
バネは調整してもうまく行きませんでしたので自作した物と入れ替えました。
リードバルブも一部交換し、開口部の布を剥がし、全体の調律を行い完了です。
書いたら簡単ですが、時間の掛かる作業です。

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