面白表記2013/05/28

今年は古い国産アコーディオンの修理がよく来ます。
http://accordion.asablo.jp/blog/2013/04/21/6954714

今回はヤマハのアコーディオンです。
症状はリードバルブの劣化による雑音と調律ズレです。


中を開けると昭和63年製造の物と分かりました。
リードの木枠に「上」と書いてあります。
これはどうやら、楽器を演奏する状態に抱えた時に
上に来る向きという意味のようです。
リードを外した後に元に戻す時に間違えないようにという事でしょう。


蛇腹の木枠にも文字が..
「ケンバン部へ接」という事で、蛇腹を外した際に、鍵盤側と
ベース側が入れ替わらない様にという事と思います。


更に別の表記がありました。
これはちょっと面白い表記です。
リードの木枠に、矢印と共に「正面」と「腹側」と書いてあります。
二列ある木枠が外した後に入れ替わらない様にという事と思いますが、
楽器を抱えた際に表に向く方と自分に近い方という事で、腹側という事でしょう。
確かに楽器を抱えると腹の上になりますね。
いや、普通は胸側という気がしますが..


リードはこんな風になっていました。
古い楽器に特徴的な症状です。
皮のリードバルブは硬化して反りが出ています。
押さえの樹脂製部品も湾曲が出ています。
全て交換した後に調律を行う必要があります。
よく見ると、固定しているロウの上から接着剤で補修してあります。
ロウに接着剤は効かないので気休めにしかなりません。
全体にロウが劣化してきているので補修が必要かも知れません。