不具合は無し。 の整備。2014/06/10

中古アコーディオンの整備を承りました。

見た事のない、VICTORIAの白い楽器です。
グリルカバーのデザインが珍しいですね。
特に不具合は無いが整備をして欲しい、というご依頼です。

不具合は無いという事でしたが、ベースボタンを押すと戻らない箇所がありました。


よくある事例ですが、dimのボタンが斜めに曲がっている事が原因で
押し込むと戻らなくなっていました。
一番外側のdimボタンは、ぶつけて曲げてしまいやすいので要注意です。
ソフトケースの運搬の方は特に気を付けてください。


鍵盤、ボタンの操作無しで強く蛇腹を閉じると音が出る、
空気漏れの症状がありました。
グリルカバーを開けるとすぐに目に入る大きな異物がありました。


発泡スチロールの破片がバルブに挟まっていました。


まだ別の音が空気漏れで鳴っていますので、該当箇所のバルブを外しました。
バルブの当り面に異物が入っていました。


これは何か分かりませんでした。
接着剤か何かを小さく搾り出した先?の様な..
これで、スッキリと音漏れは無くなりました。


通常、鍵盤のバルブを取り外すには、鍵盤を留めている軸を引き抜いて、
順番に端から該当箇所まで抜いて行く必要がありますが、
この楽器は軸が無くて、バネで引っ張って個別に留めています。
なので、今回の様な修理の場合は、最初から該当箇所にアクセスできて便利です。
この方法は鍵盤のタッチが軸方式より劣る為、廉価な楽器に採用されています。

この楽器では、その他、蛇腹シールの交換、リードバルブの修正と全体の調律、
ベルト類の交換を行いました。
不具合の指摘はありませんでしたが、きちんと調べると出てきます。
初心者の方や初めての方には明らかな不具合しか分からない為、
悪い状態の楽器を使い続けている場合もあります。
特にオークションなどで販売されている楽器は要注意です。
古い物、安い物はリスク満載で、後に修理に掛かる費用も
高額になる場合があります。
ピアノを購入するのに、5万円とか7万円で..という人は居ないと思います。
アコーディオンもピアノに近い高額な物ですので、3万円とか5万円で、
まともな物は購入できません。
オークションで、ノークレーム、ノーリターンなどと書かれている楽器は
どんなに安くて、見た目が魅力的でも、楽器として使用する事を
考えているのであれば手を出さない事です。

中には悪質な転売をしている方もいます。
多数のアコーディオンをオークションで出品、販売しているにも関わらず、
「当方素人ですので正常な音が出ているか分かりません」、
などと書いているのはちょっと考えれば怪しい事がすぐに分かります。
素人が何台も古いアコーディオンなど持っている筈はありません。
問題があるのを知っていて売っているので、
こんな事を理由にキャンセル不可にしているという事です。

更に悪質なのは、「専門店で修理済み」などの謳い文句です。
一部の修理を行っただけで全て整備したかのように錯覚させる事もできますし、
看板を出して経営している訳ではないので嘘を語る事も可能でしょう。
職業で行っている場合、嘘などあれば廃業まっしぐらですから。
具体的な人名、店名を出す場合もありますので注意が必要です。
不審な出品がある場合、当店に尋ねていただければ回答する事も可能です。
いつでもお気軽にお問合せください。

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