Giustozzi入荷2021/12/15

大きな荷物が届きました。
イタリアからです。


アコーディオンが2台という事はすぐに分かりました。
下に樹脂のパレットが付いて来る事は殆どないので
ある程度デリケートな楽器である事が推測できます。



届いた楽器はイタリアのGiustozziというメーカーの物でした。
Giustozziは日本ではあまり知られていませんが、1946年創業の老舗メーカーです。
ちょっと読みづらいですが、ジュストッツィと読みます。
家族経営の小規模メーカーなので年間に沢山の楽器を作る事はできませんが、
比較的低価格できちんとした作りの良い物を提供してもらえます。
今回は2台共、木目デザインの楽器です。



艶のある木目が美しい鍵盤式アコーディオンです。
鍵盤幅が18ミリの細い鍵盤なので41鍵盤、120ベースですが
37鍵盤、96ベースの中型に近いサイズで重さも軽くなっています。
鍵盤幅が18ミリは馴れればなんとか使い物になるサイズなので
大きな楽器は無理だけど音域は犠牲にしたくない方には良い物です。
使いづらい為、現在は作られていませんが17ミリ以下の鍵盤幅の楽器は
子供さん以外はやめた方が良いでしょう。


とても美しい木目調の楽器ですが、これは塗装仕上げによるものです。
もちろん、楽器自体は木でできています。
一般的なアコーディオンと同じように軽量で強度が確保できる合板が使われています。
その表面にセルロイドを張るのが一般的な作りですが、塗装で仕上げる楽器も
現在は多くなってきています。
塗装故に多彩な表現が可能で、今回は木目調で黒のグラデーションが付いています。
スイッチや黒鍵も綺麗に塗装されています。

グリルカバーは軽量化の為、アルミニウム合金ですが、塗装で本体と同じように
綺麗な仕上がりとなっています。
ちなみにグリルカバーは多くの楽器でアルミニウムにセルロイドが貼ってあります。
一部の楽器では全て樹脂という物や、この楽器のように木だけという物もあります。
セルロイドは単独でカバーに使われる事はなく、厚みのある樹脂の物はアクリル、
ABS、スチロールなどの樹脂です。
セルロイドでも他の樹脂でも、経年の寸法変化で大きく変形する事はありません。
大きな変形がある場合は外圧による損傷なので、よく見るとヒビ割れがある筈です。
そういう物は大きな衝撃を受けた楽器ですので注意が必要です。
或いは、熱による変形があると思いますが、一般にはあり得ないでしょう。


ベース側ですが、これが塗装?というくらい、綺麗に仕上がっています。
リアルウッドの表面仕上げより低価格ですが、十分に美しい外観です。
この楽器はお客様のオーダーによるものなので、在庫はありませんが
同じような物を作成する事もできますし、違った感じの木目や
全く別なデザインも可能です。


もう一台の方は在庫としてオーダーした物です。
アコーディオンは基本的にオーダーメイドなので、在庫もオーダーです。
なので、在庫にない物をオーダーメイドで作っても価格は変わらないので
時間に余裕がある方はオーダーメイドでお好みのデザインの物を作るというのも
選択肢に入れていただければと思います。

この楽器はリアルウッドの表面仕上げです。
一般的な合板ではなく、無垢の木材による本物の木目仕上げです。
この事による楽器の音への影響はあります。
また、重さは同じ仕様の合板+セルロイドより少し軽くなります。


リアルウッドの表面にクリア塗装して素材の木目を活かした外観になっています。
半艶塗装なので上品な美しさがあります。
グリルカバーも無垢材の切り抜きです。

楽器の仕様は、46音、HMML、MLチャンバー、120ベースなので、
制限なく色々なジャンルに使えます。
リードはハンドメイドです。
現在はゆっくりとしたMMの波の速さになっていますが、
お渡しの際はお好みの速さに調整してお渡しとなります。
全てのアコーディオン(MMのリードがある)では、
初期の音が楽器固有の音ではありません。
波の速さを調律で調整する事で同じ楽器でも全く違った音に変わります。
「この楽器は速い波なのでミュゼットにピッタリです」などの表現は
間違った認識です。
そこは調整可能な部分ですので。


ベース側です。
こちらも無垢の木材によるボディーです。
左右のボタン共にパールホワイトです。(右の♯は黒パール)
アイボリーなどの色にする事も可能です。

フルサイズのチャンバーモデルで無垢の木目仕上げの楽器ですが、
他社と比較してとても安価です。(価格自体は高額ですが..)
だからと言って、何も劣る部分はありません。

当店は輸入した時にメーカーに支払いをした金額とその時の為替レートで
売価が決まる時価方式です。
定価が決めてある販売方法は定価を高く設定して値下げするという商法が一般的です。
高額だから楽器として良いという単純なことではありませんし、
値引きされているから良い楽器がお得に買えている訳ではありません。
また、楽器は価格やメーカー(ブランド)で判断できる物ではありません。
可能であれば実際に試してみて音や操作感で判断する事をお勧めいたします。


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