ベースリードの木枠2023/11/29

Giustozziのボタン式、チャンバーモデルの整備を行っています。
これは以前に当店で新品で販売した物の中古品です。



楽器を分割してベース側の方を手前に置いたところです。
この楽器は、一般的なベースリードの作りと違っている部分があります。



ベースリードを横から見たところですが、一番低音のリードの木枠が
一般的な楽器(左側)はストレートですが、右のGiustozziの物は
木枠がL字型になっていて、リードからバルブまでの空間が広くなっています。
L字になっている事で空間がホーン形状になっていますが、
この事で得られる効果は、低音が豊に響く事と、L字木枠の下に入る
高音のリードもチャンバーのような効果が付加される事です。

この作りにする事で木枠の製造や調律で手間が掛かりますが
音に拘るメーカーは、この方式を採用しています。
L字木枠を採用する右のGiustozziは
100万円台前半のボタン式ダブルチャンバーです。
上の画像の左の一般的な作りの楽器は、
先日から並行して作業を進めている200万円もする超高級機です。


私が知っている範囲でこのL字木枠を使っているのは、
Cooperfisa、Guerrini、Giustozzi、Paolo Soprani、Scandalliの
チャンバー付きのモデルです。
他にもまだあるとは思います。

日本で有名なメーカーの超高級機では何故か採用されていません。
例えば、上の画像の左側の超高級なBugari Silver Plus、VICTORIAの超高級なPoeta、
EXCELSIORのContinental、PIGINIのSuper King、HOHNERのGolaなど、
何れも超高額な楽器です。
アコーディオンを選ぶ時、ブランド名や価格に囚われずに
中の作りや、出てくる音を基準にする事が大事です。