折れ2つ2011/08/29

偶然ですが、同じ修理依頼が同じ日に来ました。
アコーディオンとアコーディナ、それぞれリード折れです。
リードの折れはあまり頻繁にありませんので、同じ日に2件というのは珍しいです。

リードの折れは金属疲労によるものと言う見解をネットで見かけた事がありますが、
金属疲労が原因で折れる事はかなり少ないと思います。
よく使う音のリードが疲労により折れるという可能性もありますが、そうであれば
よく使う音のリードは複数箇所ある筈ですので、もっとリード折れが起きてもよい筈ですし
よく使われた楽器のリードは折れが頻発する筈です。
また、リードメーカーは疲労破壊しない寸法設計で作ると考えるのが普通でしょう。
新しい楽器で早い時期にリードが折れるのは疲労だけでは説明がつきません。
疲労破壊が原因と言うよりは、破壊発生源の存在が折れの原因と思います。
金属中の異物、組織異常、空隙などがリードの中や表面にある場合に折れが起きます。
リードにできた錆も破壊発生源となるでしょう。
それより頻度があると思うのは、調律による傷や過度な応力で破壊するケースです。
調律はリードに大きな負荷を与える可能性のある作業です。
単にリードを削って音程の調整ができるというだけで調律ができる訳ではありません。
確かにそれで音程は調整できますが自己流で行うと後に影響が出る可能性があります。
確立された方法で調律を行う事はとても重要です。
調律を依頼する場合、どんな人(名前、経歴)が行っているか位は分かる場所に
依頼するのが宜しいかと思います。