リードバルブの剥がれ2022/09/06

1年前に当店で調律を行ったアコーディオンの一部の音に問題があるという事で
1年ぶりに楽器が戻ってきました。
楽器自体は当店で販売した物ではありません。
急に2箇所の音の調律が大きくズレたのと、ベースの音が1音出なくなったという事です。、




点検してみると、リードに貼ってある薄い樹脂製のリードバルブという部品が
剥がれて無くなっていました。
楽器内を探すと剥がれたリードバルブが出てきました。
アコーディオンの1つの音が突然に調律が大きくズレる時の原因は大抵2つです。
一つは今回のようにリードバルブが取れてしまう場合で、
もう一つはリードにヒビが入って折れかけている時です。



もう一箇所、音に異常がある所も原因は同じでした。
こちらも楽器内から剥がれたバルブが出てきました。



こちらの方はリードの木枠の内側なので外から剥がれた箇所を目視できません。



ベースの音が出なくなった所を点検してみると、ビックリ!
リードの隙間にリードバルブが刺さっていました。
剥がれたリードバルブがリードの隙間に入って引っ掛かったため、
音が出なくなったという状況です。



該当箇所は内側のリードバルブでした。
中で剥がれた物が演奏する事でリードの隙間から
外に出掛かって止まったという感じでしょう。

異常はこの3箇所だけでしたので、剥がれたものを貼り直し、
該当箇所の調律を行って作業を完了しました。
リードバルブは経年で反りが出たり、閉じる力が弱くなると調律が変わります。
アコーディオンの調律がずれる原因の一つです。
反りを修正したり、貼り直しを行った場合も調律が変化するので、
触った場合は併せて調律を行う事が必須となります。

今回、3箇所共にリードバルブの剥がれが原因でした。
これはリードバルブの接着が弱っているか、元から弱かった可能性があります。
この楽器は古くはないですが、新品でも数年で問題が出てくる時もあります。
今後、同様の問題が出た場合は全数のリードバルブを貼り直す作業が必要と思います。
剥がれれば大きく調律がズレたり、音が出なくなったりする原因になり、
その不安を抱えながら使って行く事は現実的ではありませんので。


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