初修理2009/01/26

お店を開店させて頂き、最初の土日が過ぎました。おかげさまで多くの方にご来店頂き、活気のある開店となりました。
今日で3日目ですが、朝、自分で店を開けるという事がまだとても不思議な感覚です。

今日は開店して最初の修理依頼に取り掛かりました。かなり古いEXCELSIORですが、鍵盤の高さが不揃いになっているのを修正します。と言っても既にバルブのフェルトと皮が経年劣化で交換時期なので普通に高さを揃える作業をしても空気漏れを起こす為、新しく交換することになりました。
バルブ自体を新品に交換すれば簡単なのですが、この楽器はかなり長いバルブなので手持ちの交換部品が使えず、元々付いているバルブを再利用する事に。皮とフェルトを剥がし、付いている蝋をきれいに落とす作業が必要になりました。蝋を落とすのは結構大変ですが、重要な事なのでしっかりやる必要があります。

バルブのフェルトと皮は製造時から30年で交換時期になります。20年を過ぎたあたりから症状は出ます。主な症状は、鍵盤操作時のパタパタ音の発生、鍵盤高さの不揃い、空気漏れです。古い中古楽器でこの部分を交換して売っている事は殆ど無いので要注意です。作業は結構時間がかかりますし、特にチャンバーのある楽器は組み付け時の調整が大変ですので費用がかかります。同じ部品が左手側にもありますが、これの交換はベースメカを全て分解する必要があり、また、バルブ交換後には調整しながら組み付けるという大変時間のかかる作業になります。左右ともに行うと安い中古も結局、費用がかかるし、修理の待ち時間は沢山かかるし、そのまま使うには不便があるし..という事になりますので、中古楽器は製造からの経過年と、修理の経歴はよく確認した方がいいでしょう。

ちなみに、左手バルブのフェルト、皮が劣化した場合の症状は、ベースボタンの遊びが増える事によるレスポンスの低下やボタンのカチャカチャ音発生、ベースバルブのパタパタ音の発生、空気漏れです。