名器の清掃2013/07/02

名器、Settimio Soprani Artist VI の修理を承りました。
最近、復刻版が作られたようですが、やはりオリジナルに勝る物は無いでしょう。
但し、きちんと修復されていることが前提ですが..

私のよく知る方からの修理依頼です。
今回は鍵盤の動きが悪いという事です。


という訳で、鍵盤を取り外して行きます。
この楽器、私が5年前にイタリアの工房での研修を終えて帰国した時に、
そこで勉強したばかりのダブルチャンバーのバルブ交換を実施した楽器です。
本来、この楽器は黒い樹脂製のバルブですが、その時にバルブ本体ごと交換したので、
現在は木の物に変わっています。
当時、とても空気漏れが酷かったのですが、バルブ交換と蛇腹の新調により、
空気漏れは大変少なくなっています。

一般的に40年を超えた楽器はバルブ交換が必須となります。
バルブ交換する事で、空気漏れ以外に離鍵時の雑音の低減、深くなった鍵盤の
ストローク改善、鍵盤の高低差の改善などの効果ありますが、
殆どの古い中古楽器では実施されずに販売されているのが実情です。

鍵盤を取り外した後のボディーですが、5年前にバルブ交換で分解清掃したのに
かなりの埃が堆積しています。
やはり、よく使う楽器は5年程度でこのようになってしまいます。
数年に一度は点検、清掃を兼ねて整備した方が良いと言えます。


取り外した鍵盤です。
一般的な高級機の鍵盤の下には木が使ってあり、軸の通る部分は金属でできています。
この楽器は軸受け部分も全て木でできており、通常の高級機よりも木の部分の
厚さがかなり厚くできています。
軽量化の為に丸い穴が空けてありますが、それでも通常の楽器より重くなっています。
楽器全体も13kg近くあり、最近の楽器よりも1~1.5kg重いです。
しっとりとした鍵盤の動きはこの作りによるものです。
安い楽器は大抵、全て樹脂でできています。
軽量ですがタッチは安っぽくなってしまいます。


全ての鍵盤の分解清掃を行い、本来のスムースでしっとりとした名器の鍵盤に戻りました。
良い楽器はきちんと整備をしていけば、いつまでも良い状態を保って行く事ができます。

明治屋油鰯2013/07/03

時々書いている鰯ネタ。
http://accordion.asablo.jp/blog/2013/05/24/7020366
http://accordion.asablo.jp/blog/2013/02/20/6829217

今日は明治屋の物を仕入れてきました。

明治屋らしいデザインの缶です。
「My」というブランドも付いています。

缶の裏面です。
他のオイルサーディンと比べて特徴的なのは綿実油を使っている事でしょうか。
月桂樹も使っているようです。


缶を開けてみたところです。
缶にプリントされている写真と同じイメージです。
胴体で切断された小ぶりの鰯が交互に綺麗に並んでいます。
真ん中にあるのは月桂樹の葉です。

鍋で加熱して余計な味付けはせずに頂きました。
月桂樹で臭みを消しているので爽やかな味わいでした。
綿実油というのも影響しているかも知れません。
小サイズなので加熱せずにツマミとして頂くのにもよさそうです。

自転車で買出し2013/07/07

アコーディオン内蔵マイクの取り付けを承りました。

楽器は当店でご購入いただいた木目の美しいダブルチャンバー、フルサイズの楽器です。
表面だけ木目の物ではなくて無垢材ボディーですが、比較的安価でありながら
有名ブランドに負けない品質の楽器です。
外観がこの通りですので、できるだけマイクを取り付けた影響が
表に出ない様にする必要があります。


これが取り付けるアコーディオン専用の内蔵マイクキットですが、
取り付けには工作する技術以外に電気、音響の知識を必要をします。
標準キットの部品を使った標準的な取り付け方法では木目楽器の外観に影響しますので
別途、それに合わせた部品を必要とします。


という訳で、自転車で名古屋の秋葉原、大須まで買い出しに来ました。
距離は2.5km程度ですが、今日はとても暑いので結構大変でした。
本当は寄り道したいところですが、勤務中なので部品だけ買って
また自転車でとんぼ返り。
あまりに暑いのでコンビニでカップのかき氷だけ買いましたが..


買ってきた部品です。
木目楽器への取り付け方法や目立たない取り付け方などの作業手順など
マイクメーカーからは何も情報がありませんので自分で考えて部品を揃えました。
さて、今から取り付けです。

夏の寝床2013/07/09

7月に入り暑さが厳しくなってきました。
ウチの猫も夏のベッドで涼んでおります。
水洗トイレのタンクの上ですけど..



ステルスマイク2013/07/10

木目仕上げの楽器に内蔵マイクを取り付けるという事を書きました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2013/07/07/7151579


2日間かけて無事にマイクの取り付けが完了しました。
ご覧の通り、マイクを取り付けた事が殆ど分からない様になっています。
これでもちゃんと、音量調整用のボリュームが2個とマイク信号出力用の
フォンジャックが取り付けてあります。

マイクアンプ内蔵の専用マイクには右手側にマイクが3つ、ベース側に1つの
マイクが付いており、楽器の音を均質に集音できます。
見た目もスッキリで配線もスッキリのアコーディオン専用内蔵マイクは
演奏中の姿勢は自由ですし、ハウリングも起きにくくなっています。