調律痕2014/09/19

イタリア製の高級アコーディオンの調律を承りました。



ハンドメイドリードですが、2種類以上の調律痕が見られます。
最表面にある傷は電動で回転するヤスリで削ったものと思われますが、
これは正しい方法ではありません。
低価格な量産アコーディオンや鍵盤ハーモニカなどでは
このような調律痕が見られる場合があります。



同じ楽器の別の箇所ですが、やはり複数の調律痕があります。
機械で削った跡以外の手で削った跡も結構激しいです..
調律はリードを削る事で行いますが、やり方を間違えると
リードが損傷し、その後の寿命に影響が出ます。
リードバルブの押さえの細いバネの形も変ですね。



ベース側のリードです。
やはり、機械で削った跡があります。
そして、押さえのバネも変な形状です。
全体に大きく削っているので、楽器の調律の基準を変えたのかも知れません。
そういう場合でも馴れた人が行えば最小の研磨で済みますが、
何度も上下させてしまう人の場合、リードの消耗が大きくなります。



折角の高級機です。
調律は信頼できる場所に依頼しましょう。
調律はリードを削る事で行いますが、通常の調律範囲で
正しい方法で調律を行うのであればリードの消耗は少なく、
調律を定期的に行った程度でリードの寿命に影響する事はありません。
リードが減るので調律を控える必要は無いという事です。
むしろ、ズレが大きくなる前に定期的な調律を行う事で、
リードの消耗は最小限で済むでしょう。