フリーベースの修理 ベースメカ編2013/06/24

強い衝撃により各部に不具合が出ているフリーベースアコーディオンの
修理を行っています。
前回は脱落したベースリードの修理について書きました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2013/06/24/7066391

ベースリードの修理が完了した時点で、ベース側からの
激しい空気漏れがある事が分かった為、ベースメカニックの分解を行いました。

ベースを分解する為にベースボタンの頭を取り外す必要があります。
写真はベースを分解する側から見て最上部の列を外した所です。
全部で186個あるベースボタン。
できれば途中までの分解で原因究明と修理が完了すると良いのですが..


107個あるスタンダードベース部分のボタンを全て外した所です。
通常のアコーディオンとは比べ物にならない程の複雑さです。


残っているメカニックの隙間から何となく見えた台座部分の割れです。
これは最後まで分解するしか無さそうです..


スタンダードベースのボタンに加え、そのメカニック部分も全て外したところです。
だいぶスッキリとしてきましたが、まだもう一山あります。
一番底にあるバルブが見えてきました。


ボタンを全て外したところです。
バルブが全て見て取れます。
まるでアコーディオンの右手側のバルブを見ているようなバルブの数です。


やはりメカニックを支えている台座が割れていました。


バルブはこのように傾いてしまっており、隙間から空気が漏れて
ボタンを押していなくても音が出てしまう状態です。


結局、ケース全体に歪みが出ている様で全てのバルブの
当たりを調整するしかないという状況でした。
楽器の方はバルブも外してスッキリしましたが..

作業台の上は取り外した部品の山となり、物の置き場がありません。
非常に複雑な構造であり、部品点数もかなりありますので、この状況はかなり不安です。
全てを書き取っておく訳にも行きませんので自分の記憶が頼りです。
バルブの調整などしている間に組み付け順を忘れてしまいそうで恐怖を感じました。
一刻も早く部品を元に戻したい衝動にかられつつ、慎重にバルブの当たりを
調整して行きました。
ここで慌てると組み立て後にもう一度最後までバラす事になりますので。


台座の修理、バルブの調整を終えて再び、メカニックを戻しているところです。
フリーベース領域のボタンを全て戻し、スタンダードベースのメカニックが載る台を
台座に取り付けたところまで来ました。


スタンダードベースのメカニックを戻しました。
ボタンはまだ付いていません。


やっとの思いで全てのメカニック、ベースボタンを戻しました。
こうやってまとめると簡単に済んでいる様に見えますが、実際には
調整しながら戻していますので時間がかかっています。
ベースの分解を始めてから4日が過ぎていました。


ボタンは楽器に組み付けましたが、まだキートップを取り付ける作業があります。
186個ありますので、1個、30秒で付けても90分はかかります。
実際にはもっとかかりますが..


各部が正常になると新たな問題が出てくるのが空気漏れの難しいところです。
ベースのバルブが正常になりましたので、ベースボタンのキートップを付ける前に、
楽器を元に戻して空気漏れチェックを行いました。
バルブが直った事で音が出る症状は止まりましたが、ベースメカニックの収まる
箱の周囲から空気が漏れている事が判りました。
良く見ると、本体の外周ケースと内部の部品の間に隙間が空いています。


こちらも別の部分のケース外周と内側部品の隙間です。
やはり大きな衝撃による歪みがあるようです。
隙間を全て塞ぐ処置を行いました。


ベースボタンのキートップを取り付けています。
あと3段..


186個、全てのボタンを回復しました!


大きく曲がっていたベースの脚部も修理しました。
これでベース側は完璧です。
これで修理完了かと思われましたが、やはりどこかが直ると
新たな問題が出てくるという空気漏れの難しい部分が露呈しました。
続きは別枠にて..

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