本当のフレンチ2020/08/14

フランスのアコーディオンメーカー Maugein(モジャン)から
フレンチタイプのアコーディオンが2台届きました。

ライトブルーのメタリックで塗装された美しい楽器です。
右手49音、リードセットMM、ベースは80です。
小型軽量ですが鍵盤式の大型の41音を超える音域です。
音域はEからEなので41鍵盤より下は半音1つ分低音から始まり、
高音は、A#,B,C,C#,D,D#,Eの7音多く出ます。
MMの楽器ですが41鍵盤のHリードの音域の半分以上が出せます。


こちらは昨年にも入荷したオリーブグリーンのメタリックです。
外観以外の仕様はライトブルーと同じです。
ちなみに、ベースは80ボタンですが押し方の工夫でdimの和音も出ます。
なので96ベースと同じように使えます。
フレンチタイプではないボタン式や、鍵盤式の80ベースや60ベースでは
押し方を工夫してもdimが出せない楽器もあります。
これは7thの和音構成に違いがある為です。


ライトブルーのボディーは水色というよりは少し濃い感じのメタリックです。
ボタンはミラータイプ、グリルはクロームメッキ。
この2つは費用割り増しのオプションですがやはり、
見た目が大事なフレンチボタンには外せないポイントです。


ベースボタンもミラータイプです。
フレンチタイプのボタン式の特徴であるキノコ型ベースボタン。
ボタンの下の板が階段状になっている部分もフレンチならでは。


蛇腹の中も凝っています。
青、緑、ピンクが並んだ花柄模様です。


蛇腹の下部は青系でピンクを混ぜながら上に向かってグリーン、イエロー系に
変化していくグラデーション的な効果もあるデザインです。


こちらは少しレトロな感じがあるオリーブグリーンのメタリックです。
案外珍しい緑系のアコーディオン。
緑系は野暮ったくなりがちですが中間色+メタリックで
飽きの来ない色調となっています。


ベースボタンもブルーと同じ仕様になっています。
この楽器は厚さがさほどありませんので一般的なアコーディオンと同じような
形状ですが、フレンチタイプに特徴的な厚さがある機種では
階段状の部分の角度がきつくなっており、厚さがあっても弾きやすいように
工夫されています。
この事はあまり知られていないと思いますが実際に色々な楽器を持って
演奏してみるとよく分かります。


こちらの機種の蛇腹内のデザインです。
レトロな色調に合わせて少し落ち着いたデザインです。


蛇腹の中のデザインはパリをモチーフとしています。
エッフェル塔、自転車、蝶、カバン、ハート、切手の消印などがデザインされていて
旅がテーマのような感じもあります。


さて、ブログタイトルに「本当のフレンチ」とありますが、
これはフランス製のフレンチタイプボタンアコーディオンだからという訳ではありません。
イタリア製でもきちんとフレンチタイプの特徴を持った良い楽器は沢山あります。

フレンチタイプの特徴は、楽器の縦が短く厚さが厚い、ボタンは小さめで間隔が狭く
塗り分けていない、音の切り替えスイッチが裏面にある、ベースボタンがキノコ型で
階段状の板になっている、蛇腹留めが無い..等々ありますが、
楽器として一番の特徴はリードが木枠に釘で留められていることによる、
一般的なロウ留めのリードのアコーディオンとは違うシャープで明るい音色です。
逆に言うと、そういう作りになっていない楽器は見た目だけの楽器とも言えます。

この楽器は上の画像を見ていただければ分かりますが釘留めのリードです。
また、小さな楽器ですがイタリア製の高級ハンドメイドリードです。
なのでアコーディオンとしての発音は最高の物になっており、
きちんとフレンチタイプの特徴を持った音の楽器になっています。


この画像は一般的なロウ留めのリードです。
フレンチタイプのボタン式の外観を持った楽器でも40~60万円程度で売られている物は
標準リードをロウ留めした物が殆どです。
安くはない金額ですが肝心な部分がフレンチタイプと異なっているのでは
勿体無い買い物と思います。
見た目がフレンチで音はソフトな物が好みという方には良いかも知れません。
フレンチタイプのボタン式を検討する場合、この事は知っておく必要があります。

因みに、鍵盤式でも釘留めリードを用いてフレンチタイプのようなシャープな音を
得ている楽器もあります。
cobaさんが使っていて有名なCavagnoloがその代表格ですが、
当店で扱っているCooperfisaでは全てのモデルで釘留めを選択する事ができます。

鍵盤式の楽器で時にロウ留めリードに釘も打ってある楽器がありますが
釘留めの楽器の釘よりもずっと短く、大抵の場合リード1つに1つか2つしか
打っていませんので、音としてはロウ留めと変わりません。
恐らく、ロウ留めの作業の時にリードを仮止めする目的で釘で留めていると思います。


鍵盤式のアコーディオンや、インターナショナルのボタン式より厚さがあると言われる
フレンチタイプのアコーディオンですが、この機種はMMなので19cm以内で
一般的な楽器と比べてそんなに厚くはありません。
見ての通り、楽器の中には余白がかなりありますが必要以上に薄くは作りません。
この理由は色々ありますが長くなるのでまたの機会にいたします。


こちらは偶々修理に来ていた34鍵盤のMMLの楽器ですが、
厚さは17.5cm程度です。
確かに鍵盤式の方が薄いですね。
19cmは鍵盤式のHMML程度の厚さになります。


Maugeinは楽器の軽さでも定評があります。
この楽器はMMですが49音あります。
楽器の重さは7.0kgなので34鍵盤の楽器よりずっと軽量です。


こちらは在庫しているオレンジメタリックの同じ機種です。
詳細は下記リンク先をご覧下さい。


今なら3色揃っています!
フランス製の「本当のフレンチ」はいかがですか?
価格に見合った満足の行く楽器と思います。
調律はお好みに合わせて調整してからのお渡しなりますので
クラシックな派手系ミュゼット音からモダンな落ち着いたミュゼットの音まで
自由に決めることができます。


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