中国製のアコーディオン2021/10/13

当店で販売した中国製アコーディオンの修理を行いました。
26鍵盤、48ベースの小さな楽器ですが使う方は当時、小学生でアコーディオンは
初めてでしたので、低価格な楽器として中国製の物をご購入いただきました。


今回生じた不具合はベースボタンの一つが押せなくなってしまったという事です。
ベース部分を点検するとすぐに原因が分かりました。


ベースボタンの先に続く細長い部品の先が、受け部分から抜けています。
先の部分が受け部分の穴ではない所に当たっているので
これ以上押すことができないという状態です。


抜けた先端を穴に戻して動くようになりました。
この部分ですが、ボタン側の部品も受け側の部品も同じ金属素材でできています。
なのでそれなりに使い込むと両者が磨り減って隙間が多くなり、
今回のように外れてしまったり、ボタンの遊びが多くなって押した感触が悪くなったり、
作動時のノイズが大きくなります。
中国製のアコーディオンの大半がこのような構造になっています。
イタリア製などヨーロッパの殆どのアコーディオンでは受ける方は木で、
ボタンの先の部品はアルミニウム合金でできており、磨耗が少なく、
長期に渡り使う事が可能で、押した感触も良く、作動音も小さくなっています。


これはベースボタンの先の部分を押さえている合成フェルトの部品です。
先の画像のベースボタンの部品と受け側の穴の上に設置され
隙間を減らす役割をしていますが、こちらも磨耗して部品の痕が付いています。
今回、部品が抜けた原因はこの部品の磨耗と思います。
この部品があるのはボタンの後端の受けの方だけで前端の方は単に金属同士が
嵌っているだけですので、いずれ磨耗による問題が出てきます。

中国製の楽器は安いので初めての方でも気軽に始められる楽器ですが
とても頑張って練習する方は磨耗による楽器の消耗が比較的早く訪れます。
当店では中国製のアコーディオンを時間をかけて整備、調律を行い、
エントリー向けとして販売していますが、その位置付けとしては
数年、長くても10年以内の買い替えを前提とした、お試し的な商品としています。
それでもきちんと楽器として機能しますので問題なく使って行けますし、
今回のような不具合が出ても保障があるので無償ですぐに修理しています。

中国製の物は前提として輸入時に存在する細かい不具合の除去、発音の調整、
全体の調律を実施してなければ楽器として良い感じでは使えない物です。
整備にかけている時間を考えると利益はマイナスなのでこれを多く売るという事は
現実的には不可能ですが、低予算で気軽に始められる楽器として以前から
中国製の鍵盤式、ボタン式の販売をさせていただいております。

先述した通り、使い倒すと傷みが早く来ますが、そういう方はとても練習しているので
その時には上級機種に進まれると見違えるでしょう。