Bugariボタン式の調律2023/10/13

ボタン式アコーディオンの調律を承りました。


Bugariの中型サイズです。
恐らくそんなに古い物ではありません。


最初に目に入ったのはボタンの淵のボディーの傷です。
外観だけで問題は無さそうですが、ベルトの金具が当たっているのでしょうか?


グリルカバーを開けると埃が沢山堆積しています。
演奏活動をされていて、外での演奏も行うとの事なので
それなりに埃が入ります。


バルブの上にも埃が積もっています。


埃を掃除すると綺麗になりました。
定期的な調律で内外ともにリフレッシュできます。


中の状態を確認すると、革製のリードバルブの反りがあります。
これも使っていれば起きる事です。
反りが出ると調律が変わったり、蛇腹の切り返しでノイズが出たり、
弱い音の時にノイズが出たりします。
この楽器はまだ新しいので修正して調律を行います。


ベースリードのリードバルブも反りが出ています。
古くなったら交換になりますが、修正で対処します。


何故かリードが外れかかっている所がありました。
高温の時期に大きな衝撃を受けたのかも知れません。


そして、外れかけているリードの隣にも異常が..
リードバルブを押さえている薄い金属製のバネが2枚重なっています。
通常は1枚だけなので、バネが強過ぎて発音が悪くなります。


重なっているバネを抜き取りました。
これは製造時からの問題ですが、まあ時々ある事です。
調律を行う事で細かい問題が見つかります。


ベースのスイッチ操作で可動する機構に問題がありました。
矢印部分の黒い所は本来垂直になっていますが、斜めに曲がっています。


リードを外した状態でスイッチ操作を行うと
シャッターが全開になっていない事が分かりました。
これは部品が曲がっていて本来の設定がズレたからです。


曲がった部品を修正すると、シャッターは全開になりました。
この部分は、2つ以上のスイッチを同時に強く押すと曲がります。
意図して行う人はいませんが、ベースのスイッチは外に出ているので
ソフトケースに入れて移動する際に楽器をぶつけたり、倒したりすることで
スイッチの同時押しが起きて曲がる事があります。
このような不具合も調律を行う事で見つける事ができます。


右手のリードの整備が完了しました。
リードバルブの反りはありません。
また、リードの調整も行っているので発音が改善している筈です。


ベースリードの方も整備完了です。


点検の為、ベースの底板を外そうとして気づいた事があります。
ベースの底板部分には楽器を置いた時に接地する脚がありますが、
脚の先端が削れて無くなって穴が空いています。
矢印部分ですが、元々は突起が出ていて穴はありません。


4カ所あるうちの2か所はまだ突起が残っていました。
それでも、すり減って低くなってきています。
ここがすり減るのは、楽器を置いた状態で引きずって移動させたり、
楽器を置く時に無意識に引きずっているからです。
脚が減ると楽器の安定が悪くなりますし、ベースのバンドが傷みますので
楽器の扱い方に注意する必要があります。


全体の調律を完了しました。
修正しても状態が悪いリードバルブは交換しました。
楽器の前にあるのは外したリードバルブです。
これで暫くは良い状態で演奏できると思います。


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