帰国2010/10/12

あっという間に8日が過ぎ、今日は帰国です。

ミラノからフランクフルトで乗り換え、そこからはセントレアまで直行です。
フランクフルト空港の写真です。ここから12時間の長旅です。

この日の名古屋行きの便は満席だったようです。
ここで思わぬ出来事がありました。
どうやらオーバーブッキングだったようで、チェックインでもらったチケットは
なんと、ビジネスクラスでした。
全然知らなかったので座席番号とチケットを何度も見てしまいました。

今までエコノミーしか利用した事が無いので初ビジネスクラスです。
写真の様に足を思い切り延ばしてもまだ余裕があります。しかも、足の先には
荷物が少しありますが、それにも届きません。なんという無駄な広さ..
単に足が短いという話もありますが..
シートは電動でベッドの様に完全に平らにする事もできます。
食事のメニューも違いますし、ガラス製のグラスだったりします。
写真ばかり撮っていると変に浮くので程ほどにしました。
ベッド状態で良く寝られるかと思いましたが、何か落ち着かず、
案外寝られませんでした。貧乏性が変なところで出ます。
広くて快適ですが、狭くて落ち着くエコノミーも悪くないと思いました..
と、ラッキーな旅の終わりでしたが、道中トラブルもなく天気も良かったので、
なかなか良い旅行となりました。
帰ったら沢山働かないとヤバいです..

ベルチェッリへ2010/10/11

イタリア滞在も今日で終わりです。
今日は2年前に3ヶ月お世話になったアコーディオンメーカー、
Cooperfisa(コーペルフィサ)へ行きます。

ミラノ駅です。
初めての海外旅行で着いたのがミラノで、初めて利用した駅もここです。
構内に響くアナウンスを聴くと、その時の感じが蘇ります。
ここから電車で1時間でCooperfisaがあるベルチェッリへ行けます。

ベルチェッリの駅前です。
ロータリーの噴水に教会..懐かしい景色です。

駅から歩いて5分でCooperfisaへ着きます。
到着して仕事場へ行くと昨晩TVで見たロメオが演奏していました。
弾いて遊んでいる訳ではなくて、完成した楽器の検査をしているのです。
奥の調律室にはシモーネの後姿も見えます。

当時、私が作業していた机ではファブリツィオが作業をしていました。
皆さん、とても元気そうです。
仕事場が以前より綺麗な感じがします。
私が毎朝、掃除していた事が定着したのでしょうか。

ここでは楽器の製作以外に楽器の修理も行っています。
並んでいる楽器は修理の作業待ちの物です。
工房の机の配置は一般的なアコーディオン工場とは全く違います。
流れ作業ではなく、作業者1人が多くのパートを作成する作り方をするからです。
効率は悪いですが楽器としての仕上がりは大変良くなります。

お昼には皆で近くのレストランへ行きました。
イタリアは昼休みが2時間もあり、自宅へ帰って家族揃って食事をするのが
イタリア流です。この日は私の為に会食の時間を作ってくれました。

パスタはこの地域でよく食べられる、胡桃入りソースと、ジェノベーゼとは違う
バジル入りの2種類です。
一般的な物は既に食べているでしょうから..と、私の為にチョイスしてくれました。

その他、地元でしか味わえない様な料理を何種類も頂きました。

ファブリツィオとシモーネです。
シモーネは日本のアニメをイタリア語字幕で見ているらしく、
色々な日本語を覚えていました。
おかげで一般の辞書に載っていないような言葉について質問攻めに合いました。

午後は、顧客の所へ外出していた社長が戻って来たので、
仕事についての話を色々としました。
もちろん楽器も触らせてもらいました。

最近、アコーディオンメーカーでトレンドになっている木目外装の
アコーディオンも、全ての機種で対応できるようになったとの事です。
木の種類も色々と選べます。
元々、アコーディオンのボディーは木ですが、表面は耐久性があり、
傷の補修がしやすいセルロイドを貼ってあります。
木目の楽器というのは、そのセルロイドを貼らないで仕上げるという事ですが、
何故か必要以上に価格が跳ね上がっている感じがします。
外装に使う木は一般の物とは違うという理由だと思います。
Cooperfisaでは木目調の楽器を作成した場合のコスト高はむやみに高くありませんので、
そういう楽器をお探しの方は是非ご相談ください。

これがセルロイドを貼る前のボディーです。
見た通り、木でできています。
これに薄いセルロイドを貼るという事と、グリル部分がアルミニウムではなく木で
作るという以外に木目の楽器との差はありませんので、楽器の音としては
微妙な差にしかなりません。どちらかと言うと、リードが取り付けてある木の枠の方が
材質や作りによる音への影響は大きいと思います。
木目楽器は音よりも見た目の効果を狙った物と思った方が宜しいです。
最近はセルロイドではなく、塗装で仕上げた楽器もあります。

夕方になったのでCooperfisaを出て駅前まで来ました。
ミラノ泊ですが、少しベルチェッリを散策する事にしました。
駅前の巨大な教会です。
3ヶ月滞在していたセミナリオの窓からいつも見えていました。

ここは3ヶ月の間、神父さんと暮らしたセミナリオです。
平日はここで3食いただき、昼と夜は神父さん達と一緒に食事をしました。

セミナリオの隣にあるもう一つの教会です。
大きな釣鐘があり、いつもこの鐘の音を聴いて生活していました。
中に入ると丁度、ミサを行っていました。
暫く座ってミサに参加しましたが、セミナリオで一緒に食事をしていた神父さんもいました。
かなり高齢ですがお元気そうでした。

ベルッチェリの商店街がある通りです。
目的はもちろん、お気に入りのレストラン、ピエディグロッタです。

4種チーズのリゾット。
これが食べたかった!
2年越しです。
見た目シンプルですが、味は最高です。塩加減が絶妙。

ポルチーニ茸のスカロッピーネ。
豚肉の薄切り肉の料理ですが、肉が見えないほどポルチーニが載っています。
しかも、乾燥ではなく生です。素晴らしい風味!
毎週の様に通ったこの店でもっと色々と食べたいのですが、
昼に食べ過ぎたのと、まだ時間が早いのでこれだけで終わり..
後はまた次回の楽しみにします。
この後、電車で1時間かけてミラノへ戻りました。
明日は帰国です。

ミラノ着2010/10/10

10月10日の続きです。
シルミオーネを午後に出発し、バス、電車と乗り継ぎ、ミラノへ来ました。

ホテルの窓から見たミラノ中央駅です。
昨年まで工事中の場所が多かったミラノ駅ですが、すっかり綺麗になっていました。
クラシックで重厚な外見は変わらずですが、中はスッキリ、明るくなっています。
この窓から見えるバスターミナルも綺麗になっていました。

ホテルで少し休んでから晩御飯へ出かけました。
ホテルで近くの良いレストランを聞いて来ました。
日曜のミラノ駅周辺はお休みの店も多いですが、中心地へ出かける気力も無く、
駅近くのレストランで済ませましたが、やっぱりミラノは物価が高いです。
それでも、教えてもらったレストランは味も良く、値段もバカ高くは無かったです。
前菜は、サーモンマリネ。

プリモは小エビ、キノコのパスタ。リングィーネです。

セコンドはカジキのステーキ。肉に見えますが魚です。
焼き目が綺麗に入ってます。
初めて入った店ですが、なかなか良かったです。
ですが、やはり値段が高めですので、ドルチェもカフェも止めました。

レストランからホテルまで歩いて帰る途中、大きなカフェに遭遇しました。
薄暗くていかにも老舗風のバールという感じです。
ちょっと覗くと、ショーケースにおいしそうなドルチェが沢山..

という訳で、結局、ドルチェとカフェを頂きました。
味は素晴らしいです。店の雰囲気も良かった。
駅のすぐ近くですが今まで知りませんでした。
またミラノへ来る時は寄りたいですね。

ホテルへ着いて、取り敢えずテレビをつけました。
どうせイタリア語で、殆どわからないのですが、ふと、日曜の夜だという事を思い出し、
地元局のアンテナ3でやっている音楽番組が入るか試してみると..
いきなりアコーディオンの音とCooperfisaを抱えたロメオが飛び込んできました!

私がCooperfisaでお世話になっている時に、2回ほど収録へ連れて行ってもらった
日曜の21時からやっている番組です。
スタジオで見た事をとても懐かしく思い出しました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2008/04/13/3408266
http://accordion.asablo.jp/blog/2008/04/20/3498977

何より、ロメオはとても元気そうで良かった。
明日はベルチェッリまで行って、コーペルフィサの皆さんに会いに行きます。
大袈裟に聞こえるかも知れませんが、第二の故郷へ帰る様な気持ちです。
ロメオ以外の皆も元気にしているかな..

シルミオーネ2日目2010/10/10

昨日からシルミオーネに来ています。
イタリア滞在も残す所あと2日。
明日はCooperfisaへ伺うので今日はミラノ泊ですが、
ミラノへ早く行っても行くところも無いし、ゴミゴミしているので
今日もシルミオーネでのんびりした後にミラノへ移動する事にしました。

朝、ホテルの窓から見た景色です。
教会の鐘楼です。

同じくホテルからの眺めです。
視線を教会より少し右に向けたところ。
カラフルな街並みです。

ガルダ湖の中心へ細く突き出たシルミオーネの先端まで歩いてみました。
さすがに10月の北イタリアの朝は少し寒いですが、
景色もいいし、気持ちの良い散歩ができました。
途中、豪華な別荘が幾つもありました。
先端は広場になっていてオリーブの木がイタリアらしさを演出しています。

シルミオーネの先端からの眺めです。

先端で折り返してまた戻ってきました。
商店やホテルが点在するこの付近は観光地らしく綺麗にしてあります。

水鳥も楽しそう。

シルミオーネは細い半島なので、少し歩けば簡単に水辺へ出られます。

城門のある所から外へ出ると駐車場が賑わっていました。
近くへ行くとカラフルな小さな車が沢山集まっていました。
これはフィアット500というイタリアの車です。
そういえば、ベルチェッリに滞在していた時も日曜に広場で
クラシックカーの集まりが時々ありました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2008/04/19/3463827
http://accordion.asablo.jp/blog/2008/05/04/3547852
http://accordion.asablo.jp/blog/2008/05/18/3572180

きちんとこんな門まで作ってあります。
ちゃんと門越しにお城が入る位置ですね..

フィアット500は後ろにエンジンがあり、後ろのタイヤを駆動しています。
なので、後ろを開けるとエンジンが見えます。
日本では、ルパン三世「カリオストロの城」でこの車が出てきたので
知っている人も多いと思います。
軽自動車よりも少し小さなこの車は、既に生産していませんが、
最近、この車の現代版が同じ名前でフィアットから発売されています。

こんな感じで50台くらいは集まっていました。
お昼になると一斉にエンジンがかかり皆、自走して帰って行きました。

昼になったら..
もちろん、昨晩と同じレストランへ直行です。
ミラノへ行っても高いだけですので、ここでお昼を食べるのが正解。
とても大きいメロンが3つも載った生ハムメロン。

プリモは魚介のパスタ。

セコンドは、やはりここで採れた淡水魚の黄金焼き。

ドルチェもしっかり頂きます。
完全にイタリア腹になりました..

そして..
シルミオーネにやたらとあるジェラート屋へ。

日中でも肌寒いのですが、皆さん、かなりジェラート食べています。
上の写真でも店員が4名もいてお客さんもいっぱい。
こんな店が他に幾つもありますが、この状況です。
実際、安くて美味しいので、やっぱり食べます。

ジェラート屋に積み上げてある「nutella」の5kg入り特大サイズ。
何故か今回、やたらにヌテラを見ます。
キャンペーンでもしているのでしょうか?
店にこうやってディスプレイしている所も多いですし、
カステルフィダルドで泊まったホテルでは毎朝、瓶ごとヌテラが出てきました。
今日のホテルでも使い切りタイプのヌテラがありました。
ヌテラはヘーゼルナッツが入ったチョコクリームで、パンにつけたりして食べます。
なかなか美味です。カステルフィダルドの朝食ですっかり虜になりました。
5kg入り、欲しい..

この後、バスでブレシアという所へ向かい、電車でミラノへ移動です。

カステルフィダルド→シルミオーネ2010/10/09

イタリア滞在も残すところ後3日になりました。
カステルフィダルドのフェスティバルは10日まで続きますが
残り少ない滞在日数を全てアコーディオンに使うのは好きとは言え
さすがに勿体無いので今日で移動することにしました。
普段からアコーディオンに囲まれている訳ですから、
折角の休暇、少しアコーディオンから離れてみたくもなります。

と言う訳で、3泊お世話になったホテルの前でタクシー待ちです。
2年前にもお世話になったこのホテルは豪華ではありませんが、
自分の身の丈にピッタリという感じでとても気に入っています。
家族経営なので民宿みたいな雰囲気も良いです。
cobaさんも若い頃によく利用したと言っていました。

アンコーナから電車でボローニャまで来て、ここで乗り換え。
カステルフィダルド以降の予定は最終日以外決めていなかったので
ガイドブックを見ながら色々と考えて、シルミオーネという所へ行く事にしました。
最終日がミラノという事で、ある程度近くまで行っている必要があります。

ベローナまで電車で行き、そこからはバスでの移動です。
とても天気が良く、車窓からはワインのぶどう畑とか見えて面白かった。

シルミオーネは今日まで知らない場所でした。
ガイドブックにも1ページの半分以下程度の小さい記事しかありません。
北イタリアにあるガルダ湖の南岸から細く伸びる半島のような場所です。
特にここへ行く理由はありませんでしたが、なんとなく勘で良い場所の様な
気がしましたし、帰りのミラノからも遠くありませんので。

バスで1時間程で終点のシルミオーネに着きました。
今日はホテルが予約してありませんので、すぐにホテル探しです。
観光案内所の前にホテル案内のパネルと直通無料電話がありましたので、
パネルで位置と空き表示を確認して電話するとすぐに予約できました。
電話口のオバサン(多分)はとても陽気な感じでした。
ホテルまで歩いて5分ほどで到着すると、やっぱり陽気なオバサンでした。
なんと、日本人は初めての宿泊だそうです。
新しいホテルでは無いのでやはり、ここへ来る日本人は少ないようです。
部屋へ荷物を置いて晩御飯前の散歩に出ました。
湖に囲まれた、なかなか綺麗な観光地です。

ガルダ湖の水はもの凄い透明度でした。
水鳥も気持ち良さそう。

空も青くて鳥が沢山。

日本ではマイナーですが、観光地なのでホテルやレストラン、
お土産屋など沢山密集しています。
今日は土曜なので、周辺からの観光客で賑わっていました。
それでも避暑地らしいので、今はオフシーズンのようです。
街並みも凄く綺麗。

何故かジェラート屋がいっぱいあります。
しかも、フレーバーの数が尋常じゃない。
夕食前ですが思わず買ってしまいました。
イタリアの有名観光地より安くて美味しい!

街中を散歩していると空がオレンジになって来たので湖が見える所まで来ました。
もうすぐ日没です。

夕日が映る水面が綺麗です。
思わず、沢山シャッターを切りました。
そういえば、イタリアへ来てから、日の出と日の入りの両方を見た事になりますね。

ゆっくりと太陽が消えて行きました..

こんなところにも、夕日を見届けた奴がいました。

日が落ちるとあっと言う間に街中は夜の景色に変わりました。
お城がライトアップされて綺麗です。

日が落ちたら食事!
ホテルのオバサンに良い店を聞いていたので迷わず直行。
前菜はハム類の盛り合わせ。美味過ぎます!

プリモは野菜のパスタであっさりと。
北イタリアらしく、自家製生パスタです。

セコンドは湖で採れる淡水魚のグリル。
淡水魚にありがちな生臭さは全くなく、素晴らしい味でした。
やっぱりこの店は大当たり。地元で聞く情報は間違いありません。
写真はありませんが、ワインも素晴らしい味でした。

イタリアサイズの胃になってきたようです。
これだけ食べてもドルチェまで行ける..
このケーキは冷蔵ケースにある物を指差してオーダーしましたが、
なんと、暖かいドルチェメニューでした。
一旦、厨房へ持って行かれ暖めた状態で出てきました。
あぁ..なんという深い味わいなんでしょう。

シメのカフェ。
これもしっかりとカップが暖めてあり、少ない分量にギュっと濃縮された
素晴らしい味わいでした。
食べている最中、空いていた店内はどんどんと席が埋まり、あっという間に満席。
やはり地元でも有名な店なのでしょう。早めに入って良かった。

これがレストランの看板です。
次回があれば必ず行きたいと思います。
Santa Maria Maggiore という教会の近くです。
ホテルのオバサンに感謝しなくては..

酔い醒ましにちょっと散歩しました。
シルミオーネの先端部分から少し手前は細くくびれており、
その部分に城と城壁と門があります。
門をくぐるとホテルや店が沢山あります。
更に先端には自然が沢山ある場所のようです。
明日、散歩してみよう。

湖に突き出たテラス席も気持ち良さそうですが、
もう飲食はできません..

商店街が閉店した後もショーウィンドウは華やかです。
この店の看板娘に見送られながらホテルへ戻りました..