両鍵盤 修復終了2015/05/06

左手側も鍵盤になっている古いアコーディオンの修復をしています。
前回までに左側半分の修復を終えました。

右手側も機構の修理、全体の調律を終え、後は外観の調整のみとなりました。


メーカーロゴが緑のラインストーンで描いてありますが、
所々、ラインストーンが抜け落ちています。



かなり小さな直径の物ですが、似た物を探してきました。
携帯電話やネイルに貼り付けて装飾するストーンは、
貼り付ける為に底が平らです。
アコーディオンの場合は窪みに嵌めてあるので、
底の部分は多角錐の尖った形状をしています。
尖った多角錘の形状をしていると、あらゆる角度に光を反射するので、
ストーンのカットと相まって、どこから見ても非常にキラキラ感が出ます。
底が平面の物は光の反射が1面になるので、入射した光が反射して
光って見える範囲は限定され、キラキラ感が乏しくなります。
自分でラインストーンを貼って装飾する方もいると思いますが、
初めからメーカーが手作業で施す装飾と同じキラキラにはなりません。



ラインストーンの修復をしました。
全く同じ形状は手に入りませんが、違和感はありません。



金具類が酷く汚れていますので磨きました。
下の物は磨いた後です。
酷い物は緑色の錆が多量に出ていて、見た目が悪いだけではなく、
服が汚れる原因にもなっていました。



鍵盤、グリルカバー、本体、全て磨きました。
光の反射が出ています。



ベース側も磨きました。
最初の状態は下のサイトを見てみてください。



殆どの部分を修復する必要がありましたので、
とても時間が掛かってしまいましたが、ようやく終了する事ができました。
音はとてもクリアーで芯のある物です。
左手鍵盤も試してみましたが、ボタン式のフリーベースが初めての人や、
通常のベースボタンシステムが初めての人であれば、
この、鍵盤式の方がなんとかなるという印象です。
ですが、ボタン式のシステムの方が慣れれば操作は楽と思います。
この希少なシステムを使いこなすのも面白いと思います。


楽器から取り外して交換した皮の部品です。
随分な量ですが、ここにはリードを留めているロウは含まれていません。
とても時間と費用が掛かる修理となりましたが、
年代物の特殊な楽器を新品の頃の様に使って行ける訳ですので、
修復を行った価値は十分にあると思います。
いつか、この楽器で演奏しているところを聴いてみたいと思います。


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