Guerrini 中古品入荷2015/05/06

イタリアの有名メーカー、Guerrini の中古品が入りました。


白いボディーに装飾が入ったモデルです。
37鍵盤、96ベースの中型ですがHMMLのダブルチャンバーです。



楽器全体にラインストーンを使った装飾が入っています。



鍵盤はパール鍵盤で、鍵盤の両脇にもちょっとした装飾があります。
派手な見た目ですが、MMMLではなくてHMMLのリードセットです。
しかも、MLにチャンバーがありますので柔らかい音が出ます。



ベースの方にも装飾があります。
蛇腹の中は赤です。

製造から15年程度経過した物ですので、とても古い物ではありません。
外観も中身も悪くなっていませんので、少しの補修と全体の調律程度しか
行う必要がありません。
見た目が派手で落ち着いた音が好みの方には良い楽器と思います。


Crosio 中古品入荷2015/05/06

イタリアの有名メーカー、Fratelli Closio の中古品が入荷しました。


41鍵盤、120ベースのMMMLで、チャンバーはありません。



Crosio は既に無いメーカーですが、ハッキリ、クッキリした
発音の良い楽器が特徴です。
大多数のイタリアのメーカーは中部イタリアで生産されていますが、
このメーカーはDallape と同じ北イタリアの楽器です。
同じく北イタリアの楽器である、Cooperfisa と同じですが、
Dallape と同じ様な調整方法や機構など共通点が点在します。



MMMLのリードセットでCrosio の発音の良さと相まって
非常に明るいクリアな音が出ます。



ベースは現在、このように多数のボタンが落ちていて使えない状態です。
ですが、お渡しする時は整備して全く問題が無いように修理します。
Stradella は北イタリアの町の名前です。



そんなに古い楽器ではありませんが、鍵盤にヒビが入っており、
黒い縦の筋になっています。
これは磨いても取れませんのでこのままのお渡しとなります。
細いヒビ割れで、指の引っ掛かりはなく、割れて剥がれたりする心配もありませんので、
見た目だけの問題となります。
Crosio のアコーディオンは、この見た目部分を補う程の魅力ある楽器です。
勿論、見た目の分だけお値打ちになっています。
高級な名器をお値打ちに手に入れるチャンスです。


両鍵盤 修復終了2015/05/06

左手側も鍵盤になっている古いアコーディオンの修復をしています。
前回までに左側半分の修復を終えました。

右手側も機構の修理、全体の調律を終え、後は外観の調整のみとなりました。


メーカーロゴが緑のラインストーンで描いてありますが、
所々、ラインストーンが抜け落ちています。



かなり小さな直径の物ですが、似た物を探してきました。
携帯電話やネイルに貼り付けて装飾するストーンは、
貼り付ける為に底が平らです。
アコーディオンの場合は窪みに嵌めてあるので、
底の部分は多角錐の尖った形状をしています。
尖った多角錘の形状をしていると、あらゆる角度に光を反射するので、
ストーンのカットと相まって、どこから見ても非常にキラキラ感が出ます。
底が平面の物は光の反射が1面になるので、入射した光が反射して
光って見える範囲は限定され、キラキラ感が乏しくなります。
自分でラインストーンを貼って装飾する方もいると思いますが、
初めからメーカーが手作業で施す装飾と同じキラキラにはなりません。



ラインストーンの修復をしました。
全く同じ形状は手に入りませんが、違和感はありません。



金具類が酷く汚れていますので磨きました。
下の物は磨いた後です。
酷い物は緑色の錆が多量に出ていて、見た目が悪いだけではなく、
服が汚れる原因にもなっていました。



鍵盤、グリルカバー、本体、全て磨きました。
光の反射が出ています。



ベース側も磨きました。
最初の状態は下のサイトを見てみてください。



殆どの部分を修復する必要がありましたので、
とても時間が掛かってしまいましたが、ようやく終了する事ができました。
音はとてもクリアーで芯のある物です。
左手鍵盤も試してみましたが、ボタン式のフリーベースが初めての人や、
通常のベースボタンシステムが初めての人であれば、
この、鍵盤式の方がなんとかなるという印象です。
ですが、ボタン式のシステムの方が慣れれば操作は楽と思います。
この希少なシステムを使いこなすのも面白いと思います。


楽器から取り外して交換した皮の部品です。
随分な量ですが、ここにはリードを留めているロウは含まれていません。
とても時間と費用が掛かる修理となりましたが、
年代物の特殊な楽器を新品の頃の様に使って行ける訳ですので、
修復を行った価値は十分にあると思います。
いつか、この楽器で演奏しているところを聴いてみたいと思います。