ボタン式と鍵盤フリーベース2022/06/08

イタリアのFISITALIAというメーカーから3台の楽器が届きました。
2台はクロマチックボタン式スタンダードベースで、もう1台は鍵盤式フリーベースです。

因みに、クロマチックとは半音階が出せる楽器なので鍵盤式もクロマチックです。
ボタン式のことをクロマチックという意味で書いているのを見ることがありますが
間違いです。
アコーディオン類の楽器では蛇腹の開閉で音程が変わる物がダイアトニックで
それと対となる言葉がクロマチックです。
なので蛇腹の開閉で同じ音程が鳴る鍵盤式はクロマチックという事になります。
鍵盤は普通、クロマチックなので敢えて表記していないだけです。
ボタン式はダイアトニックも存在するので区別する為に
ボタン式クロマチックと併記する場合があります。
ボタン式のことを指す言葉がクロマチックという意味ではありません。
理由を知らずに聞きかじりで書かれたものにはそんな間違いがあったりします。



今回入荷したボタン式は2台とも同じ機種で、
右が41音、HMML、ベースは120です。(チャンバーなし)
ボタン式の一般的な大型は46音ありますがそれより少し小型軽量で
扱いやすくなっています。
それでも音域は鍵盤式の大型と同じなので演奏で困る事はないでしょう。



ボタンはイタリア配列で黒白混在です。(パールタイプ)
フレンチタイプではないのでボタンの直径と間隔は少し広いです。



ボディーカラーは黒ですがグリルカバーのみラメが入っています。



ベースボタンは白パールです。
レジスタースイッチは5個あるので必要な音は揃っています。
蛇腹の内側は赤色です。



こちらはもう一台の方です。
機種は同じで外観以外の仕様も同じです。
こちらは木目仕上げになっています。



ボタンの色、配列は黒い楽器と同じです。
この木目は塗装による半艶仕上げとなっています。
リアルウッドの物はとても高額になりますがこれは塗装で木目に仕上げているので
通常の楽器と価格差がとても大きくはありません。
黒いアコーディオンでも中身は木ですので、塗装の木目仕上げの楽器も
本体自体は木である事に変わりはありません。
木目の楽器は欲しいけど高額になるのは..という方には良い選択と思います。



スイッチも木目仕上げになっています。
これが塗装で仕上げたものか?と思うほど綺麗で自然な木目になっています。



ベースの仕様も黒い楽器と同じです。
蛇腹は表面の見える部分は濃茶で、中はアイボリーでナチュラルな
やさしいイメージに仕上げられています。



こちらは鍵盤式ですが在庫ではなくてお客様のオーダー品です。
37鍵盤、HMML、96ベース、コンバーターフリーベースです。
チャンバーはありませんが、その分、軽量で低価格にできます。



色は黒ですがマット仕上げです。
木目以外でマット仕上げの楽器は初めてのオーダーです。
落ち着いた雰囲気は出ますが指紋などの汚れは目立ちそうです。(拭けば取れます)



この楽器には標準で3つの顎スイッチがつきます。
馴れると顎スイッチはとても便利です。



96ボタンのクロマチック配列フリーベースですが一般的には十分な音域です。
フリーベースというと大きくて、重くて、高価というイメージがありますが
そういう物が万人に必要とは思いません。
全ててんこ盛りにするとそうなりますが、
自分がやりたい事に合った楽器を選ぶと、コストも重さも抑えられます。
フリーベースは基本的に受注生産となりますが、音域や重さ、予算など
用途に合った物を選択する事ができます。