持ち込み楽器の修理2022/10/23

部分的な調律をしてほしいという事で楽器が持ち込まれました。
機種は、かつてCobaさんが使って日本でメジャーになった
鍵盤式のCavagnoloです。(MMMLタイプ)



調律希望の音は少ないので日帰り作業で預かりました。
作業を始めようと思ってスイッチを操作すると一番端の
スイッチの押し心地がおかしい事に気づきました。
カバーを外して点検すると、パッと見では異常が分からなかったので
分解が要るかな?と思いましたが..



異常のあるスイッチと反対側の端を見てすぐに原因が分かりました。
スイッチを固定している長い軸が抜けかけています。
面白いのは、軸が抜け出ているのは鍵盤の低音側なので
重力に逆らって動いている事です。
重力が掛かる方向には軸の先が曲げてあるので行かないのですが、
何故上に動くのか??



異常のあるスイッチの軸は抜けた状態なので横へずらすと、この通りです。
グリルカバーがある時はカバーに当たってズレませんが、
カバーを外した事で左右に傾くようになりました。
スイッチの端で僅かに軸が残っているので抜け落ちなかったようです。
演奏の本番中に外れたら大変な事になったでしょう。
修理は軸を戻して完了ですが、再発しないように処置しました。



長く調律していないと思いますので埃が堆積しています。
修理ついでに清掃しましたが、先のスイッチのトラブルや
埃の堆積など、長く使っていると色々な事が起きているので
定期的な調律を行うと安心です。
MMMの楽器は調律が大きくずらしてあるので多少のズレがでても気にならず、
長く調律していない方が多い傾向にあります。



このCavagnoloもそうですが、フレンチタイプのボタン式では
グリルカバーの固定に多数のネジを使っているので
ちょっとした点検でも分解に手間が掛かります。
一般的なアコーディオンなら指で回すネジ2本を緩めて終わりなので
1分以内に分解できますが、このタイプはそうは行きません。
ネジすら使っていない機種もあり、そういう物は秒で開きます。



グリルを留めているネジは9本でした。
フレンチタイプの楽器はベースボタンがキノコ型なのでベースを分解する時も
ボタントップを全て外す必要があるので大変です。


コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
迷惑書込み対策です。
下欄に楽器の名前をカタカナ(全角)で入力下さい。
当店は何の専門店でしょうか?

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://accordion.asablo.jp/blog/2022/10/23/9556911/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。